復興に向けた応援ソング「ガンバロウ能登」 自らも被災したカフェ店主が込めた思い
日テレNEWS NNN
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県ではなりわいの再建も課題となっています。先が見通すことが難しいなか、カフェを営む男性が復興への思いを歌に込めました。 ◇ 石川県珠洲市。市保羊作さん(75)は、麹みそを販売しています。 麹みそを販売 市保羊作さん 「麹(こうじ)を作る。この中に米を入れて」 父親から受け継ぎ、親子2代で80年以上、麹みそを作り続けてきました。木の箱は麹を作るために欠かせない“商売道具”ですが、トラックの荷台に積み込んでいました。 市保羊作さん 「地震がきて、かまどが全然だめになったでしょ。全然だめ」 今回の地震で、米や豆を炊いていたかまどが壊れ、麹みそが作れない状況になりました。仕事を続けられるか分からないため、一部を捨てるといいます。 市保羊作さん 「仕事をやめるか、一時休業か考えている」 一方で、珠洲市では再建に向けた動きも始まっています。珠洲市の小学校のグラウンドに設置された仮設住宅40戸が、6日に完成する見通しとなっています。市保さんも、仮設住宅を申し込んだ1人です。 市保羊作さん 「仮設になれば水もたぶんタンクで、普通の家だと思いますよ。風呂も入れるし」 しかし、課題もあります。仮設住宅を申し込んだ男性は… 仮設住宅を申し込んだ砂塚唯彰さん(72) 「まだなんともいえない。入れるか入れないかも分からないし」 珠洲市では、456戸の仮設住宅を着工する予定ですが、入居希望の申し込みの数は1478戸(※2月5日時点)。申し込みに対して、仮設住宅が足りていないのです。 ◇ 先が見えない生活が続くなか、被災しながらも、歌で地元を元気づけようとする人もいます。輪島市に住む田崎淳さん(63)です。朝市のすぐそばで36年間、カフェを営んでいます。 地震の影響で、店の中にはいくつもヒビが入っていました。この店で、ライブを開くなど音楽活動を続けてきた田崎さん。2007年に能登半島で最大震度6強を観測する地震があった時、復興に向けた応援ソング「ガンバロウ能登」を作曲していました。 カフェを営む田崎淳さん(63) 「そのとき(2007年)は輪島も被害あったけど、珠洲ほどじゃなかった。だけども応援のためにと思って」 そして今、ふたたび… 「ガンバロウ ガンバロウ これからもガンバロウ」(ガンバロウ能登) カフェを営む田崎淳さん(63) 「『がんばろう能登』って書いてて、そこら中に。一緒の曲あるぞって思って。そういう感じかな」 カフェを営む田崎淳さん(63) 「これを口ずさむことで、誰かの励みになるとか支えになる。少しでもそういう部分があればありがたいかなと思う」 「明日の為に 自分の為に ガンバロウ能登」(ガンバロウ能登)