親の仕事を意識したときに『かっこいい仕事』 地震で休校中の輪島漆芸技術研修所 卒業生が卒業作品作りを再開
地震は、伝統工芸の技術継承にも大きな影響を与えています。 休校が続く石川県輪島市の輪島漆芸技術研修所では研修生が県内外の施設で卒業作品の制作を再開しています。 【写真を見る】親の仕事を意識したときに『かっこいい仕事』 地震で休校中の輪島漆芸技術研修所 卒業生が卒業作品作りを再開 物が倒れ、足の踏み場もない状態となっている教室。 校舎にもひびが入り輪島漆芸技術研修所は、授業再開の目途が立っていません。 兵藤遥陽アナウンサー「金沢学院大学の実習室です。ここでは研修所の卒業生3人が卒業作品を作っています」 幸いにも制作中の卒業作品に、被害はありませんでした。 ことし卒業を迎える研修生17人は、卒業作品を制作するため学校間で交流のある金沢学院大学、金沢美術工芸大学、富山大学などに分かれ作品作りに打ち込んでいます。 輪島漆芸技術研修所 普通科研修過程蒔絵科3年 川村瞳さん「卒業作品は自分のやりたいことをいっぱい詰め込んだので、それが3年生の集大成としていいものができるように頑張っていきたい」 輪島漆芸技術研修所講師 浦出勝彦さん「十分すぎるほどの設備で、(研修所と)全然変わらない環境で喜んでいる」 蒔絵科3年の日野勇輝さん。 5年前、研修所の門を叩きました。 入学当時の日野さんは「父親も母親も職人という世界で働いていて、社会に出てから親の仕事を意識したときに『かっこいい仕事』だと思った」 両親の働く姿に憧れ輪島塗の世界に入った日野さん。卒業を目前に控えた元日、 地震が襲いました。 輪島漆芸技術研修所 普通科研修過程蒔絵科3年 日野勇輝さん「最初は家が建っていました。一旦、避難した後で仕事道具を取り出せればと思ったが、数軒先がもう燃えているような状態で大事なものを何一つ持ち出すことができなかった」 日野さんの自宅兼職場は全焼。 両親は加賀に避難する中、作品制作のできる環境で再び作品づくりに打ち込んでいます。 輪島漆芸技術研修所 普通科研修過程蒔絵科3年 日野勇輝さん「いま輪島が地震ですごく注目され、その一つとして輪島塗も改めて発信された。自分もしっかり輪島塗の魅力を発信できるような仕事をしていきたい」
北陸放送