7.20両国で那須川天心が転向4戦目で世界4位のパンチャーと危険なマッチメイク…井上尚弥が東京ドーム決戦で作った空前のボクシングブームを「終わらせない」覚悟
天心のコメントについての意見を求めると「プロ転向後、凄くセンスがある選手として注目している」と印象を語った上で、間接的な挑戦状に「もちろん、そうあるべき」と余裕の対応を見せた。そして「僕自身やるべきことをやっていくだけ」と多くを語らなかった。 米リング誌のパウンド・フォー・パウンドのランキングで10位に入っている3階級制覇王者。天心のかなり前を走っている中谷は、このV1戦のテーマを「(ベルトの)統一ができるようなパフォーマンスを見せたい」とした。 天心は5月6日の東京ドーム決戦はリングサイドの最前列で見た。スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)がルイス・ネリ(メキシコ)を6ラウンドに沈めた試合が、大反響を呼び、空前のボクシングブームが再来していることを肌で感じている。 「めちゃくちゃ流れが来ている。新規のボクシングファン、今まで見ていなかった人が見ているっていうのが凄くある。僕にとってもボクシング界にとっても選手にとってもチャンス。でも中身がちゃんとしていないとすぐ(ファンは)離れる。ブームで終わらないよう選手ひとりひとりが意識を持って、試合だけでなく日常から事を起こすきっかけになれば」 モンスターが作った“その火”を消してはならない責任感はあるが、そのブームに乗っかろうというつもりはない。 「別にむちゃくちゃ応援してファンになってもらいたい(という気持ち)は特にない。なるならなれ、ならないならなるな、見るなら見ろ、見ないなら見るな、というスタイル。(ファンとは)対等と思っている。でも僕を見て、嫌な気持ち、損はさせないぞ、と常に思っている。ついてきて良かったなと思ってもらう自信は100%ある。いい結果であろうと、悪い結果であろうと、自分の生き方をかけてやっている。そこは裏切らない」 天心は、自らのプロ哲学をそう熱く語った。 7.20両国に向けて、今、取り組んでいるのは“呼吸”の極意。 「体のすべて(の動き)をつなげるための呼吸を意識している」 「内面をしっかりと整えることで、外も大きくなる。自分を理解すれば、無駄な動きがどこにあるかがわかり、相手の動きも見えるようになる。どうすれば、相手が疲れるか、どうやれば嫌がるか。パワーをつけるよりも精度が大事」 試合のコスチュームは「大地を感じよう」と地球をテーマにしたものになるという。この日は、UFOをかたどったシルバーの指輪をしていた。 天心はプレッシャーを自分自身にかけている。 「常にスリル感。そのマインドでやっている。過信じゃなく自信がある。毎日の変化が確信に変わった。それをお客さんの前で披露できる。今からワクワクしている」 7月20日の両国で天心は、その確信をどんなパフォーマンスに変えて表現するのだろうか。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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