レオパルト1戦車、ウクライナへの引き渡しがようやく加速 計100両超に
乗員はレオパルト1の欠点を補う工夫をしながら運用している
これらの追加防護は実際に役に立っているのかもしれない。ウクライナが2023年7月から受け取り始めたレオパルト1A5のうち、これまでに撃破されたことが確認されているのは6両にとどまっている。 もっともこれには、ウクライナ軍がレオパルト1A5を前線の最も危険な方面に送るのに消極的らしいことも関係しているのかもしれない。現在の最激戦地のひとつであるロシア西部クルスク州でウクライナ軍が最近行った局所的な反撃では、残り数少ないエイブラムスやレオパルト2A6が投入されている。 ウクライナ軍のレオパルト1A5の乗員たちは、欠点があることも認めながらもこのドイツ製戦車に信頼を寄せているようだ。被弾して105mm砲弾が砲塔内でクックオフ(周囲の熱などによる自然爆発)するリスクを減らすため、乗員は砲弾42発のうち砲塔内に詰めておくのは数発にとどめ、残りは車体側に収納している。 ある装填手はウクライナのジャーナリストに、再装填のためにいったん「安全な場所に戻らないといけません」と語っている。「これには時間がかかります」 それでも、同じ装填手はこの戦車での勤務について「素晴らしいですよ」と答えている。彼の仲間となるレオパルト1A5乗りが近々、大幅に増えていくと見込まれるなかで、こうした感想があるのはウクライナ軍にとって幸運なことだ。
David Axe