ダウ90000吉原怜那「子役時代の劣等感があったから今がある」
◇審査員に噛みついた『ABCお笑いグランプリ』 ――ダウ90000のトークを見ていても、吉原さんが会話を展開する場面が多いように感じています。(ダウ90000主宰の)蓮見さんのコメントを受けて、メンバー皆さんに話を振ったり。そういう積極性は、ある意味“ガッツ”とも表現できるように思うのですが。 吉原 8人のなかでは、自分はそういう役割だと思っていますね。もちろん引くべきときは引かないとですけど、全員がそう思っていると誰も行かない瞬間も生まれちゃうじゃないですか。だから、そこは私が行く。8人って大人数だから、会話のラリーが難しくて、無意識にそういうことを考えて、立ち回ることが多いです。 ――その素質は、ダウ90000だけのクローズドな場じゃなく、他の演者さんもいるオープンな場でも発揮されるように思います。 吉原 じつは去年の『ABCお笑いグランプリ』で平場があったんですけど、私は前列にいたのに何もできなくて……。それを所属している東大落研の先輩に指摘されたんですよ。 「お前、せっかくあんないい位置にいたのに、8人のなかの1人でしかなかったじゃん」「難しいのはわかるけど、もうちょっとなんとかしてやろうと思ったほうがいいんじゃない?」って言われて、すごく悔しかったけど、ホントそのとおりだなって。 ――めちゃめちゃ的確な指摘をする先輩ですね(笑)。 吉原 そうなんです(笑)。そういう反省があったから、今年の『ABC』ファイナリスト発表のときは、令和ロマンさんに「(ダウ90000は)どうせ今年もお芝居するんだろ?」と言われたときに、すかさず体が動いて。そういう意味では成長できているのかもしれません。 ――審査員のアンガールズ田中さんに「なんすか?」って、噛みついたところもシビレました。 吉原 いやあ、そう言っていただけたらうれしいですけど、あれはもう反射というか…(笑)、すみません。 ――(笑)。最後に、吉原さんが考える、ダウ90000としての展望を聞かせてください。 吉原 いま私たちが注目していただいてるのは、単純に人数が多かったり、若かったりっていう要素が大きいと思っています。そういうのを踏まえて、これからのダウがどういうグループになっていくか。まだまだいっぱい分岐点があるし、どのルートに行っても全然おかしくない可能性はあると思っていて。そういう可能性があるからこそ、“どうなるかわかんない面白さ”みたいなものがあると思うし、そこを活かしていきたいです。 あとは、私の中ではBiSHさんみたいな集団の在り方が理想的なんですね。BiSHはグループ時代から、メンバーの皆さんがそれぞれ歌やバラエティだったり、お洋服を作ったり、本を書いたりして、個々にやりたい分野で活躍されていたじゃないですか。メンバーそれぞれの特性についても発信していけたらいいなと思います。 それと同時に、やっぱり“ダウ90000らしさ”っていうのはずっと大切にしたいので、劇場らしさというか、コント・演劇の生感っていうのを一つの軸に、いろいろと可能性を広げていきたいかな。現状、ダウのメンバー間ではそういう話を自発的にすることは少ないんですけど、個人的には密かにそういう思いがあったりします。 (取材:菅原史稀)
NewsCrunch編集部