東海オンエア・てつや、ヒカルなども参入 YouTuber×ホテル事業のメリット・デメリットとは
東海オンエア・てつやが『ほてる小柳津』をプロデュースしたことが大きな話題になったが、最近ではヒカルが10億円でホテルの購入を発表するなど、大規模事業に関わらずYouTuberたちが次々と活動方法の舵を切っている。しかし、てつやに関しては限定グッズが転売されるなど、オープン早々に問題が発生している。今回は、YouTuberがホテル事業を行うなかでのメリット・デメリットを分析する。 【写真】東海オンエア・てつやがプロデュースした『ほてる小栁津』の内装イメージ「やばい部屋とやばくない部屋がある」 てつやは2024年2月5日に投稿した動画で、2024年3月1日に愛知県岡崎市に『ほてる小柳津』をオープンすることを発表。3月、4月分の予約は、2月26日の予約開始からわずか21分で完売するなど、大反響のようだ。 ホテルといえば、アメニティも宿泊時のポイントだが、ほてる小柳津では歯ブラシやペットボトルの水など部屋に備えつけられているアイテムのほか、予約時に購入できるオリジナルのホテルウェア(館内着)やタオル、トートバッグ、ポーチを展開。宿泊者のみが入手できるアイテムとあって、ファンにはたまらないグッズが用意されている。 「カズチャンネル/Kazu Channel 」のカズも、2024年2月13日に投稿した動画で福井県坂井市の『Morris Resort -モリスリゾート-』内に貸別荘をオープンすることを発表。3棟ある貸別荘のうち1棟をカズがオーナーとして手がけているという。動画撮影時はまだ外観やプールが工事中だったが、内装は完成しており、カズの案内で初お披露目となった。この別荘は国の天然記念物と名勝に指定されている東尋坊のすぐ近くという立地で、別荘から海を望めるのが特徴。カズが手がけるとあって予約も争奪戦になることが予想されるが、カズはその他にも土地の広さ2000坪、6LLLDDDKKKの貸別荘開業に向け準備を進めており、今後も宿泊事業を積極的に展開していく模様だ。 てつやが手がけるホテルが大きな注目を集めるなか、ヒカルも2024年3月1日に投稿した動画でホテルを購入したことを報告し、話題に。ヒカル曰く、ホテルは事業を広げることができ、「YouTubeとの相性が抜群」。不動産投資としてマンションを購入する以上に「ホテルが1番ワクワクするんじゃないか」という理由から10億円で入手したことを明かしている。 ヒカルのホテル事業に関しては詳細がまだ明らかになっていないが、YouTuberが宿泊事業に続々と参入することで、ファンや観光業界、地方自治体も盛り上がることは間違いない。多くの人々が恩恵を受けるだろうクリエイターのホテルプロデュースだが、YouTuberにももちろんメリットがある。 YouTuberがホテルや貸別荘をプロデュースすると、オープンまでのストーリーをYouTubeで公開できるため、ファンたちが予約・宿泊してくれる。サービス業の悩みの種である集客問題は、容易にクリアできるのだ。さらにホテルにちなんだグッズやアイテムを新たに展開できるほか、すでに美容アイテムをプロデュースしているヒカルであれば、自社のスキンケア商品をアメニティに採用することも可能。宿泊施設をオリジナルグッズの売上促進に活用できるため、YouTube以外にも収益が確保できる点は最大のメリットといえるだろう。 一方で、てつやのホテルではオープン早々問題が勃発。なんと宿泊者のみが購入できるアイテムが高値で転売されるという、悲しい出来事が判明したのだ。てつやは運営開始2日で起きた転売について即座にXで言及し、「出品者を特定でき次第、ブラックリスト入り(未来永劫宿泊予約不可)する予定です。」と投稿。法的措置を視野に入れていることを明かすと同時に、「在庫に限りがある商品ではないので誰も買わなければ転売を目的とした宿泊者もいなくなります」と、転売品を購入しないよう呼びかけたのだった。 限定グッズの高額転売は人気YouTuberが手がけたからこそ起きたものといえるが、グッズの転売以外にもデメリットとなり得るものがある。将来的に彼らの施設で宿泊者が悪質なイタズラをし、ほかの利用客に影響が出るほか、事故が起こるといったトラブルがあれば、オーナーであるYouTuberもそれ相当のダメージを受けることもあるだろう。 ほてる小柳津の事例からもわかるように、YouTuberの宿泊事業にはメリット・デメリットがつきものだ。しかしながら、いまのところグッズの高額転売以外にはデメリットは感じられず、メリットの方が大きい模様。ファンとの繋がりを持てる新たなフォーマットとして、今後も宿泊事業に挑戦するYouTuberが増えていくかもしれない。
せきぐちゆみ