日本一のスイカの産地で異変?小玉人気で生産もシフト
日本一の生産量を誇る熊本県産のスイカが出荷のピークを迎えています。年間で約20種類のスイカを取り扱っている熊本市北区植木町の「道の駅すいかの里植木」には、現在、大玉の「肥後漫遊」や「羅皇」など3種(3000~6000円)、直径20cm程度の小玉「ひとりじめ」「まなむすめ」「ヴォーノ」(2000~3000円)が並んでいます。 道の駅の徳永雅弘副駅長は「3月の長雨で出荷が遅れていますが、味はよいスイカができている」と話します。さらに、道の駅では、1000円から1500円ほどお得に販売している「家庭用」のスイカも。
こちらは、表面にキズが入っていたり、色が焼けていて、ギフトには向きませんが、徳永副駅長によると「味は一緒」だということです。
出荷量は減少 消費者「大玉食べきれない」
農林水産省の野菜生産出荷統計によると、熊本県のスイカの作付面積、出荷量は下降傾向で、出荷量は2014年の5万1500tをピークに2022年では4万5200tと、6300tも減少。気になる変化は、ほかにもあります。 道の駅を訪れていた客からは「食べきりで、小玉を買う。小玉で十分」「スイカ大玉は、(知人と)わけていたが、核家族になったので、1個買うことはあまりない」という声。大玉スイカは食べきれない、大玉より小玉スイカを買うという人が多くみられました。 冷蔵庫に入りやすく、皮が薄いので、捨てるところが少なく済むという点で需要が高まっていると話すのは、植木町で大玉スイカと小玉スイカを作っているたらぎ農園の多良木勝博さん。最近は、大玉よりも小玉スイカを作る生産者が増えていると話します。
加えて、燃料費や資材、肥料などのコストが上がっているほか、高齢化による後継者不足も問題となっています。出荷作業では、重いスイカを抱える必要があり、高齢の生産者には負担がかかりますが、多良木さんの周辺では、若手生産者が減っているそうです。
生産者に教わるおいしいスイカの見分け方
丹精込めて育てられたスイカ。生産農家の多良木さんによると◆叩いて響くような音がする◆ツルの付け根が少しくぼんでいる、おしりも少しくぼんでいる◆シマ模様がはっきり出ていて、シマに沿って凸凹があるスイカがおいしいとのこと。