「小池さんの“トンデモ政策”で都庁職員約20人が大量退職」 小池都知事の次なるプランとは
自民党派閥の裏金事件を尻目に、小池百合子都知事が注目を集めている。 【写真を見る】「露骨な事前活動にしか見えない」 小池都知事から各家庭に配られた「謎のプレゼント」
政治部デスクが解説する。 「昨年末の江東区長選と1月の八王子市長選では、共に自公推薦候補の応援に回って当選に導いた。逆風にあえいでいた自民党の都連関係者は“小池さんのおかげ”と口をそろえています」 小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会の関係者が後を引き取る。 「もともと感情の起伏が激しい人ですが、最近は先の2連勝でゴキゲン。周囲に“頑張ってる?”“あら、素敵なネクタイじゃない”などと声をかけています」 自民党都連には、4月実施の衆院東京15区における補欠選挙を前に「都知事の“神通力”をもう一度」と期待する声が少なくない。 「この補選は、自民党所属の衆院議員だった柿沢未途氏の逮捕・辞職を受けたもの。自公への逆風は強く、いまだ出馬に名乗りを上げる人はいません。そこで、無党派層にも人気の小池さんの力を借りたいというワケですね」(先のデスク)
くすぶる国政復帰説
一方で、永田町では小池氏の国政復帰説もくすぶる。 「最近は“東京15区に都知事が出るのでは?”“いや、そもそもの地盤の東京28区を狙っているはず”という具合。疑心暗鬼が広がっています」(同) とはいえ、都政のトップの座にある小池氏がヒラの衆院議員に舞い戻るメリットは乏しい。事情を知る都政関係者が「7月の知事選での再選が彼女の本命シナリオのはず」と指摘するのはそのせいだ。 都政担当記者の解説。 「小池氏には3選を見据えた動きも見て取れます。2月上旬に台湾を訪問し、蔡英文総統と頼清徳次期総統の二人と面会したのもその一つ。無用に中国の反発を招くことになり、官邸関係者は“政府に相談もなく行くとは”“知事選に向けた保守層の支持の確保だろう”と吐き捨てていましたが」
疲弊した職員が大量に退職
真意はさておき、小池氏の背には追い風が。それでも、風向きは一変する可能性がある。千代田区が舞台の官製談合事件に関して、都民ファ副代表を務める樋口高顕千代田区長が苦境に立たされているからだ。 「事件に関与したとされる区職員が自殺し、とある告発文書が区議会に出回った。そこには〈談合発覚による議会との関係悪化を恐れ、最高責任者である樋口区長は副区長らと共にA氏の変死を組織的に隠ぺいした〉という趣旨が書かれていた。これが本当なら、区長は批判を免れませんし、都民ファ特別顧問の小池氏も監督責任を問われかねません」 都庁幹部がそっと明かす。 「小池さんは思い付きや思い込みで“トンデモ政策”を指示するから庁内の反発が強い。疲弊している職員も多く、昨年3月には中堅や若手を中心に約20人が一斉に退職しました」 公私混同を指摘する声も。 「昨年6月、関東大震災から100年を機に実施した防災事業の一環で、全都の町会に知事の顔写真付きチラシを配布しました。それを町の掲示板に貼り出せば“見返り”として防災備蓄品等の購入に上限30万円で助成するというもの。現在も都内の全世帯に写真付きのメッセージと防災ハンドブックを配布中ですが、これらも選挙対策であることがミエミエ。“公私混同もいい加減にしてほしい”と憤る職員は少なくありません」 桜の開花は目前ながら、都知事は花時風雨多し――。 「週刊新潮」2024年3月14日号 掲載
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