７回に５０号２ランを放った大谷（ロイター）

◆米大リーグ　マーリンズ４―２０ドジャース（１９日、米フロリダ州マイアミ＝ローンデポパーク） 　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が１９日（日本時間２０日）、メジャーリーグ史上初の「５０発＆５０盗塁」を達成しただけでなく「５１―５１」まで上乗せし、新たな伝説を作った。敵地でのマーリンズ戦で３打席連続本塁打を放つなど、６打数６安打１０打点２盗塁。１試合の安打、本塁打、打点は自己新の大爆発だった。ド軍は１２年連続でプレーオフ進出決定。大谷は米７年目にして初めて頂点を目指す舞台に立つ。 　ドジャースのコーチ陣も大谷の快挙達成には欠かせない存在だった。大谷が「毎日話し合って工夫しています」という打撃コーチの一人、５０本塁打を支えたアーロン・ベイツコーチが語る背番号１７のすごさとは―。大谷が信頼を置く参謀が明かした。 　ベッツ、フリーマンら数多くのスター選手を束ねるベイツ打撃コーチの目にも「打者・大谷」は異質に映る。１９３センチ、９５キロの屈強な体から“打ち損じ”でも本塁打になってしまうことは驚きの毎日のようだ。 　「まず（体の）強さとサイズ。彼の場合、完璧に打ち返さなくてもフェンスを越える。ベッツは体が小さいけど、たくさんホームランを打つよね。それは彼が投球に対してバットをパーフェクトに当てることができるからだ。だが、翔平の場合は完璧に打ち返さなくても本塁打になったりするんだ。もちろん、スイングのメカニックとバットをボールに当てる技術もあるんだけど、それが彼をこれほど特別な打者にしている」 　７月の球宴で、大谷はフィリーズの大砲・ハーパーと試合前練習をともにし、意見交換した。通算３３５本塁打で、２度のリーグＭＶＰにも輝く、同じ左打ちの大砲だ。詳細は明らかになっていないが、大谷が打撃において最重要視する「構え」などを議論したようで、ベイツコーチは「私はそこにいたわけではないので」とした上で、大谷の秀逸な点を口にした。 　「翔平とハーパーが話したのは翔平の構えの一貫性についてだと思う。２人の構えは似ている。手もそうだし、動き方にも類似点があるんだ。しかし、翔平が素晴らしい点は彼が毎回同じポジションで構えられること。選手はいろんなことを考えて打席に立つし、いつも同じというわけではないので、簡単そうでとても難しいことなんだよ」 　６月から始めた、打席に入る際にバットを地面に置いて立ち位置を確認するルーチンも“不動の構え”を継続できている要因だ。ベイツコーチが今後の大谷に期待するものは何なのか。 　「目標とか目指す数字などは必要ない。彼には限界はないのだから。ＷＢＣにも出場しているし、あの時の情熱を見るとポストシーズンの環境でも問題ないはずさ」