イーストウッドの当たり役となった映画『ダーティハリー』で、彼が掛けていたサングラスは?
ダーティ・ハリーのアイコンの1つ、レイバンのサングラス
『ダーティハリー』シリーズでイーストウッドが身に着けているのが、グレーのヘリンボーン柄のツイードジャケット。ディテールこそ違いはあるが5作品すべてで同じような柄のジャケットを着ている。夏でもツイードのジャケットを着られるサンフランシスコの気候もあるだろうが、まるでユニフォームのようにイーストウッドは同じようなジャケットを選んでいる。 同じように5作品でイーストウッドがいつも掛けていたのがサングラス。シリーズが進むとデザインが違ったタイプも登場してくるが、1作目で選ばれたのが、レイバンの「バロラマ(BALORAMA)」というモデルだ。1967年に初めてリリースされ、その後90年代後半にリバイバルして同ブランドを代表するモデルとなった。顔にフィットする湾曲の強い「9カーブ」のレンズを装備、シンプルなレクタングルシェイプ(四角いレンズのフレームを総称して「スクエア」と呼ぶが、その中でも縦横が狭い長方形をこのように呼ぶ)が、殺人犯を追う刑事を演じるイーストウッドに精悍なイメージをもたらす。 そもそもレイバンというブランド名は「光を遮る」という意味で、機能そのものに由来している。サングラスを開発するきっかけとなったのは1923年。米軍のパイロットが飛行機を操縦する際に起こる、太陽光線に起因する眼球疲労や視力低下を緩和する高精度のレンズの開発を軍から依頼される。6年の歳月を掛けて高機能のレンズを開発、30年に完成したレイバングリーンのサングラスは、米陸軍航空隊に制式に採用される。36年には一般にも発売、その後は世界中で幅広い世代に支持され、サングラスの代名詞的な存在になる。 そんな確かな歴史を持つレイバンの名作「バロラマ」は、『ダーティハリー』の主人公ハリー・キャラハンのキャラクターの一部になって見えるほど、イーストウッドに似合っていた。
ルックスオティカ ジャパン
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文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一