入院が必要なレベルの重度のつわり、そして坐骨神経痛。妊娠中の壮絶なトラブルを描いた、話題のコミックエッセイの著者に聞きました
妊娠中に起こった壮絶すぎるトラブル体験を綴って、多くの女性の共感を呼んだ、松本ぽんかんさんのコミックエッセイ『つわりが怖くて2人目に踏み切れない話』。つらすぎる体験を笑い飛ばすようにコミカルかつテンポよく描き、レタスクラブコミックエッセイ新人賞に入賞した作品です。 【マンガを読む】松本ぽんかんさんの『つわりが怖くて2人目に踏み切れない話』を最初から読む つわりの間はほとんど飲むことも食べることもできず、脱水症状で医師から入院を勧められるほどだった松本ぽんかんさんですが、大変だったのはつわりだけではありませんでした。つわりをようやく乗り越えたと思った矢先、今度は坐骨神経痛を発症して歩けなくなってしまったそうです。 その時の経験について松本ぽんかんさんにお話を伺いました。 ■つわりが終わっても、さらに襲いかかる妊娠トラブル ──妊娠 18週5日目でやっと「つわりが終わった」と感じたそうですが、その時はどんな気持ちでしたか? 松本ぽんかんさん: 「コップ1杯の水を飲んで吐く」という毎朝のルーティンがパッタリ無くなった時、最初は 半信半疑でした。その3日後に大好きな牛タンを食べられた時は肉を噛み締めながら号泣し ました。ごはんを美味しく食べられるのがこんなに幸せなことだとは思いもしませんでした。 ──つわりが終わった...と喜んだのも束の間、今度は坐骨神経痛を発症しますね。旦那様が帰ってくるまで動けずにいる描写は本当につらそうでしたが、このときの気持ちについて教えてください。 松本ぽんかんさん: この時は坐骨神経痛の知識が全くなかったので、寝ればそのうち治るのでは?と余裕をこいていました(笑) ──坐骨神経痛で医師の診察を受けたときに「妊娠中はこれがずっと続く」と説明され、さらに子宮筋腫も発覚して予定していた産院で出産できなくなるなど、一度に試練がのしかかりますね。漫画ではコミカルに描かれていますが、ショックが大きかったのではないかと思います。このときの心境について教えてください。 松本ぽんかんさん: 妊娠している以上良くはならないと聞いた時は驚きましたし、歩くのが怖くなりましたね…トイレに行くのすら躊躇していました。しかしつわりに比べればよっぽどマシだったのでへっちゃらでした。病院にいる時も次に食べるごはんのことを考えていました。 ──これがへっちゃらということは、よほどつわりがお辛かったのですね…。杖に骨盤ベルト、リュックやお財布バッグなど、「坐骨神経痛乗り切り7つ道具」を漫画の中でご紹介されていますが、ここで登場したグッ ズ以外にも便利だった物があれば教えてください。 松本ぽんかんさん: 産後5年経ってからfitkeepさんの骨盤パンツに出会い、これがめちゃくちゃ自分に合っていてかなり痛みが軽減されたのですが、当時出会えていたらどんなに良かったかと思います。ただ、 グッズも便利ですが「反り腰で立たない」とか「足を組まない」とか「冷やさない」とか「沈 むソファーに座らない」といった生活習慣の方が重要でした。当時知っていたらあんなに悪化しなかったのになと…。 * * * 妊婦さんにはつわりの他にもさまざまなマイナートラブルがつきものですが、松本ぽんかんさんも重度のつわりや坐骨神経痛をあの手この手で乗り越えて出産にこぎつけました。妊娠中、つわりやマイナートラブルで心が折れそうな時は、ぜひこの作品を読んで「私だけじゃないんだ」と心のお守りにしてくださいね。 取材・文=レタスユキ