「光る君へ」源雅信が道長につぶやいた「不承知」の真意は?
「最期、婿殿(道長)に対して味方によっては皮肉なことを言うんですけれども、あれは本当はそうしたかったけどその出発点は娘のかわいさの発想ですしね。そのことを思ったときに「俺はお前のことは反対だったんだ」っていうことをせめて伝えるっていうのが、かえって2人にとって結果よかったんじゃないかっていうね。だからその辺の描かれ方も見事だなっていうね。多少錯乱しているっていうふうな解釈ももちろんできるんですけれども、家族を大事に思った人間なんだなっていうのをすごく感じました。ですから、そのことばと裏腹に最期、手をぐっと握れたっていうのがすごくよかったと思うし、いろいろそういう意味で勉強になりましたね。生き方の問題として。あの死に方はどう考えても幸せですしね。みんなに見てもらって」
娘の倫子を溺愛する優しいパパとして視聴者に愛された雅信。当時は娘を入内させることで出世するのが常だったが、雅信はそれをせず結婚を急かすこともしない。また、横暴な兼家を毛嫌いしていたが、倫子が道長との結婚を強く望んだ際には頭を抱えながらも根負けする微笑ましい姿が映し出された。 そんな妻子に弱い雅信に益岡自身も好感をもっているようで「表の顔と家庭の顔っていう分け方をしたとしたら、全然違う表れ方をしているっていうのがおもしろいですよね。奥さん(穆子)を大事にして、娘(倫子)に弱くてっていうね。それがとても現代的につながるものがあるんだなっていうふうに。本当にやりがいのある、家族の一員になれたという「こうあったらいいだろう」と、どんな時代でもこういうふうに夫婦関係と親子関係があればいいんじゃないかって。問題は起こるんだけどそれをなんとか解決していくみたいな。そういうことをできることはすごくいいなと思いました」と人物の魅力をかみしめていた。(編集部・石井百合子)