飯田市役所で開かれた出発式

　広島市の平和記念公園で採火した火をトーチでつないで核兵器廃絶を願う「県反核平和の火リレー」の出発式が9日、最初の訪問自治体となる長野県飯田市役所であった。8月6日にかけて県内77市町村と県庁を回り、平和行政の実現を要請する。 　広島発祥の取り組みで、県内では県平和友好祭実行委員会が主催し37回目。 　この日、市役所の玄関前で出発式が開かれ、県平和友好祭実行委員会の米山祐貴実行委員長は世界情勢を踏まえ「平和の火リレーが平和問題を他人事から自分事に捉えるきっかけになれば」と願った。 　市への要請行動を受け、佐藤健市長は「一番の敵は無関心」と述べ、若い世代を中心に「平和や戦争について関心を持ってもらうための意義のある活動」と激励した。 　平和記念公園の「平和の灯」から分けられた火が走者のトーチに点火され、次の訪問地の大鹿村へ向けて出発した。 　要請書は9項目にわたり、非核三原則の法制化や平和行政の実現、被爆者救済への援助・支援、原子力政策の抜本的見直しと原発に頼らない社会に向けた国への働き掛けなどを求める。 　飯田市は1984（昭和59）年に「非核平和都市宣言」を決議。2011（平成23）年に広島市長が国連で提唱した「平和市長会議」に加盟している。