地域密着の氷見 3校目は投票で石橋 センバツ21世紀枠・選考経過
第95回記念選抜高校野球大会の出場36校を決める選考委員会が27日にあり、21世紀枠には石橋(栃木)、氷見(富山)、城東(徳島)の3校を選出した。 【プロの世界へ】22センバツを彩った選手たち 21世紀枠の選考は東日本(北海道、東北、関東・東京、東海、北信越)から行われた。まず特別選考委員による順位付けの評価表でポイントの高かった氷見を選んだ。西日本(近畿、中国、四国、九州)は評価の高かった2校を中心に検討され、城東を選出した。地区を問わない残り1校は評価が分かれたため7校を再度、比較した上で3校に絞り、決選投票で石橋を選んだ。 氷見は地域に密着した活動に加え、地力の高さも評価された。富山県氷見市唯一の高校で選手17人中16人が同市出身。野球教室など普及活動に取り組み、練習試合には地元の人々が足を運ぶなど愛されている。少人数ながら昨夏の富山大会で準優勝。昨秋の富山大会を制し、地区大会でも1勝を挙げた。県勢で初の21世紀枠選出となった。 城東は徳島県内屈指の進学校で、部員13人(選手12人)ながら昨秋の徳島大会で4強入りを果たした。練習メニューの多くを選手が考える自主性が評価された。部員の確保をはじめ、グラウンドが狭く練習時間も限られる中、犠打のみで得点を目指す実戦練習を取り入れるなど、試合勘を磨くために工夫を重ねている。 最後の1枠は石橋の先進的な取り組みを評価した。地域の小学生を対象にした野球教室で肩肘検診を導入している。地元のNPO法人と協力し、自チームも障害予防に努めながら練習に励む。進学校だが、近年は栃木県内で安定して上位に進出する好成績を収めており、今回が3回目の候補校だった。 元NHKアナウンサーの小野塚康之委員は「一般枠も含めて同じように工夫したり、効率化したりする中で、21世紀枠ならではの評価が難しかった。その中で、センバツに出場した時にチームのバックにどれだけ喜ぶ人がいるのかや、後に何が残るのかといった点も重視した。人々に熱を伝えるような象徴的なチームになってほしい」と3校の活躍に期待した。【長宗拓弥】