ベラルーシで日本人拘束…分断が進む国際社会において親中国、親ロシア国家で海外邦人が気を付けるべきこと
中国寄りのラオス・カンボジアでも
例えば、石破首相の外交デビューとなったラオスでのASEAN首脳会議でもASEANの分断が顕著に見られ、フィリピンは欧米寄りの姿勢を鮮明に見せているが、中国から多額の資金援助を受けるラオスやカンボジアなどは中国寄りの姿勢を鮮明にしている。 実際、ラオスでは昨年7月に中国の元人権派弁護士が現地の警察に拘束されたが、この弁護士は米国にいる家族に会うため中国を出国した後、経由地のラオスで拘束されたという。拘束された理由について具体的なことは明らかになっていない。 こういった状況では、カンボジアやラオスに滞在する日本人が中国についての情報を収集していたとして拘束されるケースも可能性としては排除できないだろう。
アフリカ・サヘル地帯の国でも
また、アフリカのサヘル地帯にあるマリやブルキナファソ、ニジェールでは近年相次いで軍事クーデターが発生し、実権を握った軍事政権は欧米に反発する一方、ロシアとの関係を強化している。 サヘル地域の国々を訪問する邦人、ビジネス開拓を目指す日本企業はそもそも少ないだろうが、分断が進む世界においては、特定国の外交関係、欧米との距離感、中国やロシアとの関係性などを考慮し、日本としては親中国、親ロシア的な国家における邦人の安全を国際関係の観点から検討する必要があろう。 【執筆:株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO 和田大樹】
和田大樹