内向的な少年はなぜ世界を魅了するダンサーに成長したのか?ブレイキンShigekixがパリ五輪で描きたい姿
ブレイキンと出会ってからの変化
「僕、今でこそこうやってカメラに向かってお話させていただいてますけど、実はあまり人前でしゃべったりとか、社交的に話しかけたりするのは実は得意じゃなかったんですよね、ちっちゃいときは」と振り返るShigekix。 「でもブレイキンに出会ってコミュニケーションを取るっていう機会も増えて、自分を解放するじゃないですけど自己表現の究極の形が僕はダンスだと思っているので」 「すごくブレイキンに出会う前と出会ってからの自分でキャラクターが違うというか。内向的だった部分はかなり変わったのかなと思います」 自身でも振り返ると社交的ではなかったという幼少期。シアトルでの大会ではその過去が嘘のように、人前が苦手だった少年の見違える姿があった。 今回、招待された『Red Bull Lords of the Floor』 は、ダンサー達が憧れるブレイキンの伝説的な大会。 そこで彼は世界中のダンサーたちを破りベスト4に。会場を盛り上げ、多くの歓声を浴びていた。
「めっちゃうまいやん」その言葉が嬉しくて練習した
ではなぜ、内向的な少年が世界中を魅了するダンサーにまで成長したのか?そこには過去の忘れぬ光景が姉・AYANEにはあったという。 「私がレッスン受けてて、先生がちょっと一回やってみたら?せっかく来てるしと言ってくれて」 「やり方を教えたらすぐポンてできて『めっちゃうまいやん』みたいな。『全然できるやん』て言われてからちょっとずつ興味を持ってくれて、周りの人も優しかったから色々教えてくれた」 「めっちゃうまいやん」というその言葉が嬉しくて、練習してまた練習した。ブレイキンにのめりこんでいくうちに、人に話しかけることも、年齢も、関係なくなっていた。 気が付けばShigekixは、人の輪の中でブレイキンに熱中していた。
故郷のストリートで磨いた技、ブレイキン界のスターに
大阪・難波駅に隣接するバスターミナルOCAT。そこはストリートダンサーの聖地であり、Shigekixが幼少期から仲間とともにダンスに明け暮れた練習場所。 ここで磨いてきた得意技、音楽に合わせて動きを止める『フリーズ』は誰にも真似できない唯一無二の武器。ブレイキンの文化にはなかった筋力トレーニングも自身の表現の幅を広げるためにいち早く取り入れた。 たゆまぬ努力は実を結び、2020年には『Red Bull BC One World Final』で歴代最年少優勝。ブレイキン界の新たなスターとして歴史に名を刻んだ。
パリでも変わらない自己表現の追及
-追い求めるものを形に- それは彼にとって幼少期から変わることなく追及してきたこと。 絵を描くことに夢中になっていた時も、ブレイキンと出会ってからも。この夏、パリの舞台でもその想いは変わることはない。 「五輪ためにこういう風にするというよりかは、この五輪という舞台が本当に自分が今までやってきたこととか常に大事にしている事を最大限に発揮する最高のステージだと思っているので、その姿を五輪というステージで見せられたら、それが一番最高な形かなと思います」 キャンバスを飛び出した自己表現、その先に金メダルが待っている。
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