「絶対死んだ」って描写だったのに…まさかの生還を果たした漫画やアニメの「不死身キャラ」
■その活躍はまさにアラバスタの守護神…『ONE PIECE』ペル
1997年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載を開始し、今もなお国民的人気作品として多くの人を惹きつけ続けている尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』。 数々の個性豊かなキャラクターたちが登場する本作において、その散り際により多くの読者を感動させたのが、「アラバスタ編」に登場した“トリトリの実”モデル“隼(ファルコン)”の能力者・ペルだ。 ペルはアラバスタ王国の護衛隊副官で、王女・ビビに幼少期から仕える武人然とした人物だ。そんな彼がまさかの散り際を見せたのが、「アラバスタ編」の終盤。 クロコダイル率いるバロックワークスにより仕掛けられた“時限式砲弾”の爆発を阻止しようと画策するルフィら一同だったが、砲弾は止まらず窮地に立たされてしまう。するとペルは砲弾を空高くまで運び、遥か空中で爆発させたのである。 主君であるビビに感謝を告げ、王国のために犠牲になる道を選んだ彼の姿は印象的で、多くの読者が悲しみ、心を震わされた。 しかし、その後描かれたとある病院の一幕にて、退院した患者がペルのものと同じ“帽子”を忘れていったことを受け、ファンの間でも生存説がまことしやかに囁かれることとなる。 そして期待通り、344話の扉絵や本編439話に一命を取り留め元気に過ごすペルの姿が描かれ、彼の生存が決定づけられた。アラバスタを守り抜いたその勇ましい姿を再度目の当たりにし、歓喜したファンも多いのではないだろうか。
■その“不死身”っぷりはもはやお約束?…『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ヒュンケル
作中で何度も死に際からの生還を果たし、“不死身”っぷりを見せつけたキャラクターも登場している。それが、1989年から『週刊少年ジャンプ』で連載された『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二さん、原作:三条陸さん、作画:稲田浩司さん)に登場する魔王軍不死騎団の団長・ヒュンケルだ。 のちに主人公・ダイらの仲間として活躍する彼だが、作中通して幾度となく重傷や致命傷を負うものの、そのたびに奇跡の復活を遂げてきた。 幼少期に傷を負ったまま川に流されたり、和解したダイたちを救うために溶岩のなかに沈んでいく……なんてことは序の口。胸を突き刺され火炎魔法・メラゾーマを流し込まれる、大地が両断されるほどの必殺技を被弾する、防具がない裸の状態に槍の連打を受ける……などなど、強靭な肉体を持っているとはいえ、いずれも十分致命傷になり得る大怪我ばかり。 なかには致命傷を負ったあと仲間たちの顔が走馬灯のようによぎる描写もあり、“今度こそ死ぬのでは?”と、読者に予感させるシーンも数多く登場していた。 だが、どんな大ダメージを受けようとも、そのたびヒュンケルは奇跡の復活を遂げ、ダイたちと共に戦い抜いた。メインキャラクターがいつ死んでもおかしくない最終決戦という局面にて、ありとあらゆる“死亡フラグ”を立て、仲間から思わせぶりなセリフを投げかけられ、それでもなお生還してみせたその姿はもはや「さすが」の一言。 どれもこれも、ヒュンケルが生まれつきその身に宿した強い生命力や、鍛え上げた強靭な肉体、能力があってこその生還なのかもしれない。 キャラクターたちが奇跡の復活を遂げた姿は、過去の壮絶な散り際も相まって、大きな感動を読者にもたらしてくれる。“不死身”の彼らが見せつける熱い展開も、バトル漫画の醍醐味の一つといえるだろう。
創也慎介