ダルビッシュ門下生、マエケンが日米通算200勝へ向かう
マエケンはマウンドからの“メッセージ”を受け取り、翌日の試合前にあいさつに向かった。以来、食事をともにするなど交流がスタート。20代前半の前田にとって、球界トップのダルビッシュは背中を追う存在だった。
「自分よりもすでにすごいピッチャーが、僕よりも考えて取り組んでいた。やばい、このままだと俺、一生この人に勝てないと思ったんですよね。このまま行けば、差がどんどん広がっていくだけだな、と思った」
本格的にウエートトレーニングに取り組み、栄養学の勉強も始めた。前田がメジャー移籍した2016年以降も関係は深まり、2021年の右肘手術後のケアなどについて今もアドバイスを与えてくれる。負傷者リストに入れば、すぐに心配するメッセージが届いた。
「基本的に僕の先生です。こうやって順調に(手術から)復帰できたのもダルさんのおかげ」
前田もまたベテランの領域に入り、経験や学んだことを次世代に伝えていく立場となった。現在、MLB67勝でNPBでは97勝。“ダルビッシュ門下生”として自身も目指す日米通算200勝まであと36勝だ。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌