ヤマハがNTT東日本に敗れて準優勝 JABA静岡大会2連覇ならず
◇社会人野球◆JABA静岡大会 第6日▽決勝 NTT東日本4-0ヤマハ(8日・浜松球場) ヤマハは決勝でNTT東日本に0―4の完封負けを喫して準優勝に終わった。昨年の決勝カード相手にわずか2安打に抑えられ、大会2連覇はならなかった。敗戦後のホーム球場での表彰式でバックスクリーンに「準優勝 ヤマハ」が映し出される。整列したナインは悔しい表情を浮かべた。だが、申原直樹監督は日本選手権切符を目前で逃したものの「本当悔しい。みんなが悔しい思いをしている。これを力に変えるしかない」と前を向いた。 守備からの手痛い失点が響いた。4回までヤマハのエース・佐藤廉が0で抑える好投。だが無死一塁に三塁守備についた大卒ルーキーの小林寛弥の悪送球により、無死一、三塁とピンチを広げた。NTT東日本は好機を逃がさず、中村迅内野手にスクイズさせ、手堅く先制点をもぎ取った。そこから更に不運が重なった。試合を引き締め直そうとした矢先に、二塁についた大卒2年目の宮崎竜成内野手がファンブル。1死二、三塁になると、NTT東日本の保坂淳介の二ゴロの間に追加点を与え、1イニングで、2失策が絡んで2失点。指揮官は「守備のミスが出ると全てが後手に回っていく。投手含めた守備が強いチームが勝ってくと思うので、今後も強化していきたい」と、守備力向上を誓った。 だが収穫もあった。ヤマハは今大会、勢いに乗る新入団選手や若手を多く起用した。西村進之介外野手=専大出=が、全5試合でスタメン出場。また同じくルーキーの寺沢孝多投手=近大出=はこの日は3番手で9回に登板し、1回無失点。大会に2試合登板して3イニングを無失点に抑えた。「若い選手が躍動していったので、それが良かった」と喜んだ。 昨年、準優勝となった都市対抗大会で雪辱を果たすためにも、新戦力の成長は不可欠。監督は若手への守備ミスに対して「次、同じ場面でしっかり守れるようになれれば。言わなくてもわかっていると思っている。より一層、成長していってくれると思う」と期待を寄せた。日本選手権への切符はまだついえておらず、次の出場権がかかる4月23日からのJABA京都大会に気持ちを切り替えた。 〇…入社以来、「初の決勝での登板」を任された佐藤廉投手は、6回2/3を4失点(自責2)。敗戦後に「できることはやった。ただやっぱり勝ちたかったし、地元の大会で優勝したかった」と話すと、「きょうの調子は完投完封できるぐらいよかった」だけに肩を落とした。だが、強豪のNTT東日本打線に臆することはなかった。「ストライク先行で、どんどん打たせていくスタイルでいけた」。また昨年磨いてきた直球にも手応えを感じていた。味方の守備ミスに対しては「4年目だし僕がなんとかする側だと思っている」とかばい、「それがきょうできなかったので次の大会に向けて、それを意識していけたら」と更なる成長を誓った。
報知新聞社