ブラジルのクィア映画『デビルクイーン』日本初公開決定 ポスタービジュアル&予告編も
1973年にブラジルで公開された映画『デビルクイーン』が、8月10日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルと予告編が公開された。 【写真】『デビルクイーン』場面写真 本作は、ギャング、同性愛者、ドラァグクイーン、娼婦など、軍事独裁政権下のブラジルで最も疎外された人々を、強烈なサウンドと極彩色の美術、暴力とクィアネスを融合して描いたギャング映画。1974年の第27回カンヌ国際映画祭にも出品されたが、その後、長きに渡って世界的上映の機会に恵まれていなかった。制作から50年の節目の2023年に4Kレストアを果たし、同年のベルリン国際映画祭で上映された。監督のアントニオ・カルロス・ダ・フォントウラは1968年に劇映画デビュー後、ブラジルのサイケロックバンド・ムタンチスやシンガーのガル・コスタなどアーティストたちのドキュメンタリーなども手がけている。 デビルクイーンと呼ばれるその人は、ヴィヴィッドな色のアイシャドウを塗ったまぶたから鋭く光る視線でリオデジャネイロの裏社会を支配している。部下のギャングたちに恐怖を、自分の王国の “ドールズ”にキャンディをバラまき、愛用のジャックナイフで脚をシェーブし、裏切り者を切り裂く。ある日、ハンサムなお気に入りが警察に追われていることを知ると、スケープゴートとしてキャバレーシンガー・イザのヒモ、世間知らずのべレコを巻き込むが、事態は思わぬ方向に動きはじめ……。 ある時は恐怖で組織を支配するギャングのボスとして、またある時はスウィートな女王として狂気とチャーミングさを同居させたデビルクイーンを演じたのは、ミルトン・ゴンサルヴェス。また、シネマ・ノーヴォとボサノヴァのミューズのひとりであるオデッチ・ララがキャバレーシンガーとして出演している。 あわせて公開されたポスタービジュアルには、デビルクイーンとキャバレーシンガーのイザの姿が。また予告編には、妖艶な音楽とともにパーティを楽しんでいるデビルクイーンが、一転して愛用のジャックナイフで裏切り者を切り裂く姿も見られる。
リアルサウンド編集部