<高校野球>花咲徳栄、センバツ開幕予定日にグラウンドで入場行進、校歌斉唱 気持ちを新たに
新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止された第92回選抜高校野球大会に出場する予定だった花咲徳栄は、開幕予定日だった19日、埼玉県加須市の同校グラウンドで選手らが公式戦のユニホームを着用して入場行進した。その後は校歌斉唱や紅白戦を行い、選手らは「これを一つの区切りに」と気持ちを新たにしていた。 午前9時。青空の下で学校関係者やメンバー外の部員ら約80人が見守る中、花咲徳栄の選手18人はセンバツ旗を手にした井上朋也主将(2年)を先頭に、入場行進曲「パプリカ」に合わせ、引き締まった表情で外野側から入場。グラウンドを半周し、マウンド付近まで行進した。その後、本塁の前で横一列に整列して外野側を向き、春をテーマにした校歌の1番を歌った。 プラカードを手に先導したのは女子ボクシング部の高橋美波さん(同)。「自分も出場予定の大会がなくなってしまったが、野球部の姿を見て頑張ろうと思った」と言う。 岩井隆監督は「センバツ旗を持ち、背番号のついたユニホームを着て、春の校歌を歌うことだけはやっておきたいと思った。ユニホームや背番号の重みなど、いろんなことを考えることが節目。節目が多い人間は未来に向けて強くなれる」と企画した意図を説明する。井上主将は「これを一つの区切りにしたい。感謝の気持ちを夏に恩返しできるようにしたい」と力を込めた。 その後、レギュラーと控えに分かれて紅白戦を行い、控えチームが横溝文太選手(同)の満塁弾で追い上げ、南雲壱太選手(同)がサヨナラ打を放って6―5で勝利した。南雲選手は「(入場行進や紅白戦を)用意してくれたことに感謝の気持ちがある。一球一球無駄にはしたくなかった」と笑顔を見せた。【平本絢子】