新調されたはんてんや法被をまとう（前列左から）一、三、八番みこしの男衆ら＝鹿児島市東千石町

　鹿児島の夏を彩る伝統行事「おぎおんさぁ」が２０、２１日、鹿児島市の天文館一帯で開かれる。商売繁盛や悪疫退散を祈願する祭りで、４００年以上続くといわれる。これまで上半身裸の締め込み姿でみこしを担いでいた男衆が今年から、日焼け対策ではんてんや法被を着用。みこしごとにデザインが統一され、観衆は分かりやすくなる。関係者は「コロナ前のにぎわいを取り戻したい。鹿児島を元気にする起爆剤になれれば」と意気込んでいる。 【写真】上半身裸の締め込み姿でみこしを担ぐ男衆＝鹿児島市山下町

　２１日本祭のご神幸行列は午後１時ごろ、東千石町の鹿児島商工会議所ビル（アイムビル）を出発し、歩行者天国となる高見馬場－朝日通りの約１．２５キロを往復する。触れ太鼓や子どもみこしに続き、大鉾（ほこ）・祇園傘や十二戴女（かんめ）などが古式ゆかしく巡行し、約３０００人が参加する。終了は午後３時ごろ。 　大人みこしは男女９基が参加し、六つある男みこしの担ぎ手は今回から、はんてんや法被を着用する。近年、強い日差しでやけどのような症状を負う担ぎ手が多かったという。 　天文館地区で１３日あった「触れみこし」では、３みこしが新しいはんてんや法被を披露。三番みこし（天文館商店街振興組合連合会）１６代目頭の大城仁さん（４６）は「これまでより統一感が出る。どのみこしか一目瞭然となる」と観衆からの声かけも期待する。 　１２日には祭りの成功を祈る商工祈願祭が、東千石町のアイムビル広場であった。鹿児島おぎおんさぁ振興会や関係者ら約４０人が集まり、コロナ禍からの景気回復を願った。津曲貞利実行委員長（６７）は「まずは地元から商売繁盛、無病息災の願をかけて盛り上がりたい」と語った。

　２０日の宵祭（よいまつり）はウオーターフロントパークのメイン会場と、センテラススクエアや八坂神社など７サテライト会場で開く。ジャズコンサートやみこし展示があり、同パークなどである錦江湾潮風フェスタと同時開催となる。