センバツ2024 甲子園への思いリユース 近江、役目終えたバットで暖 /滋賀
センバツ出場を決めた近江のグラウンド。年に何度かは一面が雪に覆われ、選手は厳しい練習とともに寒さとも向き合っている。そんな選手の味方がたき火だ。炎の元をよく見ると、薪の中には折れた木のバットもある。甲子園への思いが染み込み、役目を終えたバットが、選手の体を暖めている。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち たき火台が据えられているのは三塁側ベンチの横。ドラム缶を縦に半分に割った形で、年季が入っている。薪は、マネジャーが学校内外で手に入れた木の枝や、地元の人から寄せられる廃材などで、火力を上げるために脂分の多いマツも燃やす。そんな中、バットはひときわ強い炎を上げている。 年に20本程度折れるバットを保管し、薪として活用する。たき火の側に控えるマネジャーの杉本みなみさん(1年)は「監督やコーチ、そして仲間が一生懸命振ったバット。暖かさも特別です」と教えてくれた。【藤田文亮】