８回に復帰登板を果たした山崎（カメラ・越川　亘）

◆パ・リーグ　日本ハム３―９オリックス（２３日・エスコンフィールド） 　会心でなくても、勝利したことに意味があった。「全員でやるしかないんでね」。試合前の時点で７投手合わせて今季１勝。先発の谷間を埋めるブルペンデーを採用し、オリックス・中嶋聡監督（５４）が小さくうなずいた。負ければ今季初の同一カード３連戦３連敗。懸命の継投で食い止めた。 　まずドラフト５位の高島が３回無失点で発進した。地元の北海道で立派に１番手の役目を果たすと、４回から同６位の古田島にバトンタッチ。６回無死一、二塁で火消しに成功した本田が今季初勝利を挙げた。「きょうぐらいしっかり投げてくれたら、十分いい」と中嶋監督が褒めたのは８回を務めた山崎。４月１０日以来、４３日ぶりのマウンドだった。 　１回を８球で３人斬り。１死から石井は１５３キロで空振り三振に仕留めた。「ちょっと緊張していたんですけど、何とか抑えられて良かったです」。守護神・平野佳の離脱もあり、２２日の早朝便で大阪から北海道に移動。「このまま、この勢いでいきたい」と球速、球威ともに万全近しだ。 　「お前はどこで投げないとダメな男や？」。開幕から４試合に投げただけで２軍落ち。中嶋監督と向き合い、シンプルに問われた。「８回、９回です」。昨季と同じ勝ちパターンに戻ることを、２人きりの空間で約束。１６０キロ右腕にとって、大きな一歩となった。 　エースの宮城も故障で長期離脱中。指揮官は「いろんなことが起こっているけど、仕方ない」と前を向いた。首位・ソフトバンクと１２ゲーム差。スタイルである全員野球を追求し、遠い背中を追う。（長田　亨）