くによし組がシアタートラムで立ち上げる「ケレン・ヘラー」に中井千聖・名村辰・大場みなみら
12月に東京・シアタートラムで上演される「シアタートラム・ネクストジェネレーション vol.16 演劇 くによし組『ケレン・ヘラー』」の出演者が明らかになった。 【画像】「シアタートラム・ネクストジェネレーション vol.16 演劇 くによし組『ケレン・ヘラー』」出演者(他1件) 出演が発表されたのは、中井千聖、名村辰、大場みなみ、花戸祐介、佐藤有里子、てっぺい右利き、柿原寛子、谷川清夏、永井一信。 シアタートラム・ネクストジェネレーションは、次代を担うアーティストの発掘・育成企画。今回はくによし組の主宰・國吉咲貴の作・演出により2018年に初演された「ケレン・ヘラー」が、改訂のうえで上演される。 女性お笑いコンビ・ポジティbooのアフロ子とケイトは、ヘレン・ケラーを題材にした不謹慎なコントが原因で活動休止に追い込まれ、価値観の違いから解散してしまう。1人になったアフロ子の前に突如、神様さんという謎の人物が現れた。神様さんの助言により、アフロ子はお喋りロボットのサリバンちゃんを購入して相方にすると、新生“ポジティ boo”として一発逆転を試みる。神様さんの助言に従うほど注目を集めていくアフロ子だったが、あるとき自分の目と耳に不調が起きていることに気付いて……。 世田谷パブリックシアター芸術監督・白井晃は本作について「上演予定の、コロナ禍の前に書かれた作品が、改めてシアタートラムの空間の中でどのように現出されるのかとても楽しみだ。もしかしたら、私たちはもっともっと不条理になった世界の中で、國吉さんの世界の清々しさを感じることになるかもしれない」とコメントしている。 ■ 白井晃コメント 國吉さんの作品は、いつも虚実が隣り合わせにある。隣り合わせと言っても、普通の距離感の隣り合わせではなく、本当に隣接していてくっつくように存在している。むしろ虚実がめり込んで存在していると言っても良い。だから一見不条理劇のようにも見えるが、不条理劇ではない。むしろ、國吉さんの世界の登場人物はとても条理にかなっているものだから、これが今の私たちの現実だと思い知らされる。そして、彼らの会話を通して、私たちを取り囲む不条理な世界が浮き上がって見えてくるのだ。 上演予定の、コロナ禍の前に書かれた作品が、改めてシアタートラムの空間の中でどのように現出されるのかとても楽しみだ。もしかしたら、私たちはもっともっと不条理になった世界の中で、國吉さんの世界の清々しさを感じることになるかもしれない。 ■ シアタートラム・ネクストジェネレーション vol.16 演劇 くによし組「ケレン・ヘラー」 2024年12月 東京都 シアタートラム □ スタッフ 作・演出:國吉咲貴 □ 出演 中井千聖 / 名村辰 / 大場みなみ / 花戸祐介 / 佐藤有里子 / てっぺい右利き / 柿原寛子 / 谷川清夏 / 永井一信