“超高校級”ストライカーだった森崎嘉之は、なぜプロで大成できなかったのか? 城彰二は「欲を出されたら、絶対負けている」
「技術のレベルが違う。すごく上手い。ボールタッチも柔らかい」
現役時代はジェフユナイテッド市原(現・千葉)などで活躍した元日本代表FWの城彰二氏が8月24日、自身のYouTubeチャンネルに最新コンテンツを投稿。ジェフでチームメイトだった森崎嘉之氏と語り合った。 【動画】城彰二がジェフの後輩・森崎嘉之と対談! 城氏の1歳下である森崎氏は、市立船橋高時代に冬の選手権で大活躍。得点王に輝き、チームを優勝に導いた。ただ、95年に鳴り物入りで加入したジェフではリーグカップに1試合出場したのみで、96年に退団。その後は水戸ホーリーホック、横河電機でプレーし、23歳で現役生活を終えた。 “超高校級”と称されていた森崎氏は、なぜプロで大成できなかったのか。城氏は、精神面を理由に挙げる。 「ナイーブだしね。責任を感じたりとか、悩み込んじゃうタイプ。そこが嘉之に足りないところだと思った。ワーッと圧力をかけられたり、プレッシャーとか与えられちゃうと、責任感が強いから。俺みたいに『関係ねえよ。お前ら黙っとけよ』みたいな感じの性格じゃないから。真逆だよね」 森崎氏は「(自分が)足を引っかけた選手が倒れると、『本当に大丈夫?』とか、さすっちゃうぐらい。ジェフの時も年上の方、目上の方がいっぱいいて、懐に潜り込んで『どうしたらいいですか?』と言えば良かったものの、そういうことが僕はできなくて」と語る。 また、城氏は新人時代の森崎氏に強い対抗意識があったと明かす。ルーキーイヤーに33試合12得点を記録していたものの、ポジションを奪われる危機感があったという。 「嘉之の高校サッカーでの活躍を見ているし。ジェフに入ってくるから、『やべえな』と思ったよ。ポジションを取られると思っていたから、『やらなきゃ、やばい』というのは、すごくあった。マジで思っていた」 だが、当時の森崎氏には“欲”が足りなかったと城氏は指摘する。 「欲を出されたら、俺は絶対負けていると思う。技術のレベルが違うもん。すごく上手いから。ボールタッチも柔らかいし、身長もあるしね。技術は全然敵わなかった。だけど、欲がなさすぎるから。あまりガツガツ『このポジションを奪ってやるぞ』みたいなの(がない)」 そして、森崎氏が「頑張っているけど頑張っている感が、感じ取れないみたいな。自分のなかで頑張ってはいるんですけど」と振り返れば、城氏は「本人はやっているけど、そのへんが、俺がレギュラーを取られなかった、助かった部分。俺はガツガツするからさ。でも、いろんな勉強をさせてもらったしね」と述べる。 日本代表でワールドカップに出場するなど飛躍した城氏と、プロで思うような結果を残せなかった森崎氏。2人の違いはメンタル面だったという見解で一致した。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部