つるの剛士の子ども3人が海外留学を考えた意外なきっかけ
タレントとしてマルチに活躍する一方、保育士資格を持つ5児の父親で“現役大学生”という、つるの剛士さん。多忙な中、2度の育児休暇をとり、積極的に「イクメン」経験を積むと、次は幼児教育の世界に飛び込み、非常勤幼稚園教諭としても勤務。また大学では、こども心理学部で“学び”を継続中といいます。そんな、保育現場も体験されている「先輩パパ」つるのさんに、ご自身の経験や気づきについて語ってもらったり、日々子育てに奮闘しているパパ&ママたちの悩みに「元気が出るアドバイス」をしていただいたりする連載です。 【今は“現役大学生”のつるの剛士】「“おバカタレント”と呼ばれた僕が、息子の塾に通って勉強してみたら……」 今回は、with class mamaメンバーで、留学コンサルタントのみたむさんが、子ども3人が留学中というつるの家の留学事情ついて、聞きました。
Q.つるの家のお子さんたちが海外留学を選んだ理由はなんですか?
みたむ:最近は子どもの進学先として、中学や高校も海外を選択される親御さんが少なくありません。また、子どもが小さいころから留学を見据えて外国語教育を考える家庭も多いです。つるの家ではお子さん2人が海外留学中、もうお一人がこの秋留学予定だと伺いました。はじめにご長男が留学されることになったきっかけはなんですか? つるの剛士:息子は、“日本の教育”にモヤモヤを感じたそうです。 <「日本の教育って合わない」そんな息子の一言を受けて、夫婦で話し合いました> 長男の場合は、いきなり「海外留学」を考えたわけではないんです。この連載の中でも、長男が中学受験をしたときに、勉強も塾もイヤだと言い出した息子の代わりに僕が塾に通ったなんて、無茶苦茶な話をしましたが、長男は僕と同じで“学校の勉強”が苦手。ただ小さいころから「自然」にはとても興味を持っていて、遊びも学びも、自然に関わるような環境のなかでは苦にならないタイプでした。 その長男が、中学校に上がったころから「オレ、日本の教育って合わない感じなんだよね」などと、ませたことを言い出したんです。 えっ!?ってなりますよね。そこで、それはどういうことなのかとじっくり話を聞いてみました。するとどうやら、みんなが同じ方向を向いたり、一律に物事をこなさなければならなかったりする、ある種“型”にはまらなければいけない勉強の仕方やシステムが好きじゃない……と感じ、モヤモヤしだしたらしいんです。 そうなんだ……どうしようかと、妻とも話をしました。そこで、「日本の教育が合わないって言っているんだから、留学も選択肢のひとつなのかな」という考えがふんわり浮かんだという感じです。 ちょうどその時期に、友人家族の海外旅行に息子が同行させてもらう機会がありました。現地から送られてくる息子の動画や写真の表情がとてもキラキラしていて、連れて行ってもらった家族からも「詠斗は水を得た魚のようにイキイキとして、ものすごく楽しそうだよ」と聞かされたのが、「留学」を前向きに考えてあげようと思う決定打となりました。 とはいっても、僕たち夫婦には留学の知識は何もありませんでした。ただただ、息子の気持ちを尊重して「海外に目をむけてもいいのかもね」という割と軽めの方針決定でしたね。 <選んだ留学先は本人希望の自然豊かなカナダ!> それから僕が仕事でお世話になっている方が、お子さんを海外に留学させているという話を聞いたので「実はうちの息子も……」と相談に行ったところ、とても親切に留学のお世話をしてくださるエージェントの方を紹介していただけて、トントン拍子で留学への道が開かれていきました。 留学先は、長男の「都会じゃなくて、田舎の学校に通いたい」という希望を反映させた、アウトドアの聖地とも言えるカナダ。それも、自然豊かな土地の「公立校」にしました。公立校ということもあり、海外留学生を大々的に引き受けてはいないので、不慣れな外国の生徒に「至れり尽くせり」の環境ではなかったし、息子自身もまだ英語が不自由なく話せる状態ではなかったので、不安がなかったかと言えば嘘になります。でも親子共に「なんとかなる」の精神で前進! 子どもってすごいです。すぐに異国の環境にも順応していきました。 みたむ:実は私もカナダの現地エージェントで勤務していた経験があります。カナダは自分で履修科目を選択でき、アウトドアの授業があったり、実践的な学びができる授業も多いです。高校はダイバーシティ豊かで留学生にも理解があるので、留学先としてもとても人気があります。 <思春期に留学したことで、親子のいい距離感を保てたのかも> 長男が留学してから5年、その間に日本に帰ってきたのはたったの2回! 僕も1度しか訪ねていません。今は、インターネットで世界中と繋がることができるので、隣の町にいるかのようにテレビ電話で会話ができますし、アプリを使うと位置情報まで共有できるいい時代。あまり遠くにいる感じがしません。むしろ、ティーンエイジャーというモヤモヤと難しい時期に“いい塩梅”な距離感を保てたように思えます。 でも、日に日に息子の成長を感じますし、たくましくなったなぁと尊敬もしています。そんな息子も留学中に「成人」を迎え、久しぶりに日本に帰ってくるとの連絡がありました。もう、楽しみでしかありません。何がって、はじめて息子とお酒を飲むことができるんです。うれしいです。なにやら「パパに人生相談」もありそうです。ゆっくり語り合いましょう! みたむ:つるのさんはご家族みんな仲が良く、お子さんの意見を否定せずに可能性を広げるお手伝いをされているなという印象を受けました。そして、お互いをとても信頼しているんだなと感じました。私は今までに多くの方の留学サポートをしてきましたが、親御さんにとって「お子さんと適度な距離を保ちながら、なんでも本人に任せて信じること」って実は結構難しいもの。親心でついつい口を出したくなったり、先手を打とうとしてしまうものですが、それでは本人の成長にならないこともあります。つるのさんは息子さんの意思を尊重して見守っている、素敵なお父さんだと思いました。