大阪城本丸で「薪能」歴史に残る舞台がよみがえる
文藏「吉野詣の秀吉は私は初めてです」
また、文藏さんも「今年は大きなイベントになります。夏の陣という大阪プロジェクトの一環で、キョードーの主催です。400年記念として秀吉能をひとつどうかという話が上がりまして、これをさせて頂くことになりました。吉野詣の秀吉は私は初めてです。新しい役に取り組むことになります。雨が心配ですけど、雨の場合は能楽堂でやります」などと語った。 豊臣秀吉が自分の実績をもとに作らせた新作能のことを「豊公能(たいこうのう)」と言うが、自らの実績を材料に能を新作したのは、秀吉以外には例がない。 しかも、豊公能の作品のほとんどを自分で演じていたと言われる。吉野の伝説や歴史を絡めながら、秀吉の治世を賛美するという構想に基づいた能になっているが、単なる賛美ではなく、構成的にも優れているという。「夏の陣大阪城本丸薪能」は大阪城本丸広場特設舞台にて。9月20~23日。雨天の場合は同じ席数の「大槻能楽堂」で開催予定だ。 (文責/フリーライター・北代靖典)