オーナーへの怒り爆発 チェルシー監督人事…前任が1年で契約解除にファン嘆き「誰が来ても同じ」【現地発コラム】
監督交代を機にギャラガー売却も加速か
西ロンドンの近所に住む1人も、「全く理解できない」と言っていた。 「ほかの上位クラブは笑いが止まらないだろうよ。来季もまた、チェルシーの存在を意識する必要がなくなったんだから。ポチェッティーノは、若い選手たちの心を掴んでいたと思う。だからこそ、最終的にはチームパフォーマンスと呼べる勝ち方ができるようになった。タイトルは1つも獲れなかったが、現実目標だったはずの欧州への出場権を獲得してもいる。それなのに、ここで監督を変える意味が理解できない。“クラウン・オーナー”と“エッグヘッド”の手下みたいなSDのおかげで、来季も過渡期丸出しのシーズンだ。長期プロジェクトが聞いて呆れる。ヤツらは一体、何がしたいんだ?」 オーナーから、チーム作りそのものを任されているとも言えるポール・ウィンスタンリーとローレンス・ステュワートの共同SDに関し、2021年CL優勝チームを解体して組み立て直すだけの経験も実績も足りないとする見方は、広くファンの間にある。彼が使った「クラウン」とは「道化師」を意味する単語。スタンフォード・ブリッジでは、現オーナーがピエロとして描かれた風刺ステッカーが貼られているのを見たことがある。「知ったかぶり」を意味する「エッグヘッド」は、クリアレイクの要人で、舞台裏での発言権はベーリーよりも強いと目されるベダド・エグバリに対する蔑称だ。 話を聞いた観戦仲間の1人も、同様の意見を持っていた。 「これでコナー(・ギャラガー)もいなくなるってことか。売却に反対していたはずの監督が取り除かれたんだから」と、来たる夏の移籍市場での“商売”に諦め口調だった。 “前監督”が、勝つために最も重視した選手が移籍1年目に合計25ゴール15アシストを記録した22歳のコール・パルマーだったとしたら、チーム最多の合計50試合で起用されたコナー・ギャラガーは戦うために最も信頼していた選手だったと言える。そのチェルシー生え抜き24歳は、収支のバランスを求めるプレミア規則違反を避ける手段として、いよいよ今夏の「換金」が濃厚だ。 「あいつらは、オーナーとしての2年間でチェルシーを中位風のクラブにした。ユース上がりの戦力を売ってやり繰りしていくんだ。監督には、そんな環境でも文句を言わない人物を欲しがる」と、彼は嘆いた。