新1万円札の顔、渋沢栄一の記念御朱印2種登場 白河・南湖神社
新1万円札の「顔」渋沢栄一にゆかりのある福島県白河市の南湖神社で3日、記念御朱印の配布が始まった。渋沢は、南湖神社にまつられた白河藩主松平定信を敬愛してやまない神社創建の立役者。宮司の中目公英さん(63)は「定信公が結ぶ渋沢と白河の縁を大切にしたい」と話す。 御朱印は2種類作られた。定信造営の南湖公園をモチーフにしたイラストを敷き紙にした朱印、渋沢の肖像切り絵、クリアファイルの3点セット(初穂料1500円)と、1922(大正11)年の神社鎮座祭の集合写真を焼き込んだ朱印、肖像入りしおりの2点セット(1000円)が配布される。どちらも渋沢の揮毫(きごう)で「南湖神社」と記されている。 「近代日本資本主義の父」と称される渋沢は、幕府老中として「寛政の改革」を断行した定信の思想と手腕に深く傾倒していたという。神社の創建時には奉賛会会長を務め、資金集めに奔走した。 中目さんは「日本に500の会社をつくった渋沢だが、創建した神社は東京の明治神宮と南湖神社だけ」と力説。渋沢が唱えた経済道徳合一説も「手本は寛政の改革だったのではないか」と推理した。
河北新報