小池都知事も岸田首相も「もう終わり」か…3補選「大惨敗」から始まるヤバすぎる末路
やはり自民党のボロ負け
4月28日投開票の衆院補選は、大方の想定通りの結果となった。長崎3区では山田勝彦氏が勝利し、島根1区では亀井亜紀子氏が議席を確保した。東京15区では、昨年12月の江東区長選で一時は勝利が見えながらも、小池百合子東京都知事が応援した大久保朋果区長に負けた酒井菜摘氏が始終安定の戦いぶりを展開し、ついに勝利を掴んだ。 【当落一覧】次の総選挙で「落選する議員」の全実名! 長崎3区の山田氏は現職の衆院議員であり、島根1区の亀井氏は参院議員と衆院議員だった経験がある。そしてともに父親が国会議員だったこともあり、その名前は地元で十分に浸透している。 一方で山田氏の対抗馬となった井上翔一朗氏は名前が浸透せず、亀井氏の対抗馬の錦織功政氏にはさらに派閥のパーティー券問題をめぐる「政治とカネ」の逆風が吹いた。今回の衆議院補選では全選挙区で立憲民主党の公認候補が勝利したが、立憲民主党が強かったわけではない。 9人の候補が濫立した東京15区はさらに複雑だった。自民党は当初、小池知事が応援する乙武洋匡氏を推薦するつもりだったが、乙武氏は4月8日の出馬会見で「どこにも推薦要請しない」と言明した。 これは、「政治とカネ」問題にまみれた自民党と同列になることを嫌った国民民主党から支援を得るための方策だったようだが、これに地元の自民党が反発した上、自民党自身の面子も傷つけられた。その結果、自民党本部は乙武氏の推薦を見送った。 公明党は当初から乙武氏の推薦に消極的だった。選挙活動部隊である創価学会女性部が、乙武氏の過去の女性スキャンダルを嫌ったためだ。それ以前に、公明党には「小池離れ」の様相が見られた。4月21日投開票の目黒区長選だ。
女帝・小池都知事の命運も尽きたか
多選批判に晒されていた青木英二区長は6期目の当選を決め、小池知事が応援した伊藤悠前都議は落選した。伊藤氏は2021年の都議選で、2万3117票を獲得しトップ当選を果たしたが、区長選では2万369票と2748票も減らしている。同区内には約1万票の「公明票」が存在するが、それらが動いた様子はほとんどない。 だが翌月曜日に「変化」が見られた。ある公明党関係者から筆者に、「東京15区で女性部の一部が動き出した」との連絡が入った。おそらく小池知事が応援を懇願したのだろう。 しかし効果はなかったようだ。実際に乙武氏が獲得したのは1万9655票で、知事と区長が応援に入ったにもかかわらず、2万票にも満たなかった。そして立憲民主党の酒井氏に当確が打たれた4月28日午後8時、重い空気が漂う乙武氏の選挙事務所で小池知事の姿を見た者はいなかった。 7月に行われる都知事選の前に、“女帝”の命運は尽きようとしているのか。小池知事の堅固な力に影を落としたのは「学歴詐称疑惑」を報じた文藝春秋5月号で、同号にかつての側近の小島敏郎氏やカイロ時代のルームメイトの北原百代氏が事実を綴った手記を寄せている。 コロナ禍を理由に逃げ回ることができた2020年の都知事選と今とでは、もはや事情が違う。今回の都知事選を前に、小池知事は大きな覚悟を迫られるはずだ。その前兆として公明党の“離反”があるのだとしたら、都内にある約80万票の“創価票”の行方はこれからどうなるのか。非常に興味深い。