朝ドラ史上、最もモヤモヤしたキャラは? 伝説の嫌われ役(1)死んでくれ…ヒロインから痛罵されたクズ男は?
1961年にスタートしたNHK連続テレビ小説、通称“朝ドラ”。月曜日から金曜日まで毎朝8時から放送され、通勤や通学前の視聴者に活力を与えているが、時にはどうしても素直に好きとは言えないキャラクターも登場する。今回は比較的記憶に新しい朝ドラの中から、俳優の演技が上手すぎて視聴者を大いにモヤモヤさせたキャラクター5選をお届けする。第1回。(文・苫とり子)
涼次(間宮祥太朗)『半分、青い。』(2018)
まずは2018年度上半期に放送された第98作『半分、青い。』から、このキャラクターをピックアップ。間宮祥太朗演じる森山涼次だ。 本作はちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロインの楡野鈴愛(永野芽郁)が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜ける、およそ半世紀の物語。恋愛ドラマの名手と呼ばれる北川悦吏子のオリジナル作品で、“朝ドラらしくない朝ドラ”として良くも悪くも注目された。 特に賛否を巻き起こしたのが、鈴愛が涼次に放った台詞。涼次は、鈴愛が夢を叶えて漫画家になるも途中で断念し、ずっと好きだった幼馴染も結婚してしまった頃に出会った。雨が引っかかるほどまつ毛が長い美青年。かつ間宮が体現する限りなく透明に近いピュアさと母性本能を絶妙にくすぐる愛らしさで視聴者を虜にした。しかも、涼次は鈴愛の漫画のファンだったのだ。こんなの好きにならざるを得ないだろう。 鈴愛は出会ってからわずか6日で受けたプロポーズを快諾し、涼次と電撃結婚を果たした。しかし、涼次には何をやっても長続きせず、都合の悪いことを鈴愛に隠すような危うい部分が。一度は鈴愛や生まれてきた子供のために不安定な映画の仕事をキッパリと辞めるも、諦めきれずに離婚を切り出した。 「家族は邪魔になる」とまで言った涼次に対し、「死んでくれ、涼ちゃん。そしたら、許してあげるよ。別れてあげるよ」という言葉を放った鈴愛。歴代の朝ドラには大勢のダメンズがいるけれど、ヒロインに「死んでくれ」とまで言われたキャラクターは後にも先にもいないだろう。 (文・苫とり子)
苫とり子