ビジネスマッチング専業スタートアップの"次なる一手"
前田佳宏(まえだ・よしひろ)/1977年2月、福井県生まれ。福井県立高志高校を経て2000年3月大阪大学工学部卒業。2000年4月京セラに営業職として入社。2006年2月野村総合研究所コンサルティング事業本部へ転職。2011年9月にDisty(現・リンカーズ)設立(撮影:梅谷秀司)
知る人ぞ知るような中堅・中小メーカーの優れた技術を、重層的な仕組みを通じて今その技術を必要としている企業へ橋渡しし、社会にイノベーションを起こす。そうした役割を担うため、「最適な出会い」の提供により「マッチングで世界を変える」というミッションを掲げ、製造業向けのビジネスマッチング専業として東京証券取引所グロース市場へ2022年10月に上場したのがリンカーズ(5131)だ。2011年9月の設立で、従業員数も2022年10月末時点で81人と小規模ながら、ビジネスマッチングの4機能をすべて具備し、その顧客等から依頼される調査サービスの機能も兼備している。なぜ、同業の上場企業に類例がないほど多くの機能を備えるに至ったのか、創業者である前田佳宏社長に、これまでの経緯と今後の展望を聞いた。――2011年の創業後、試行錯誤を経て、現在のようなコーディネーターとITを活用した独自の重層的なビジネスマッチングの仕組みを構築されたそうですね。 最初はSNSを立ち上げた。これはさまざまな職種ごとにかなり深みのあるバリューチェーンの情報を流し、ぶつけ合うためのSNSだった。ただ、サイトのデザインに難があり、また、ログインしないといったいどれだけすごい情報が掲載されているのかを見ることもできなかったため、軌道に乗らなかった。 その経験を踏まえ、今度はウェブ展示会システムである「eEXPO」(イーエキスポ)を開発した。これは中堅・中小企業が、自社の擁する優れた技術や製品についてアピールできる仕組みだった。
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石井 洋平