「日本人ってキスするの?」…芸人がフランスで唖然とした「外国人から見た日本」衝撃のイメージ
「文化の違い」に四苦八苦
2013年の夏、はじめて一人で太神楽を披露するために訪れた国は、奇しくもかつて留学し「日本人へのイメージ最悪」と感じたフランス。パリで開催されたジャパン・エキスポだ。ゲームやアニメを中心としたイベントだが、その中の伝統文化ブースのステージに立った。 太神楽は見て伝わる芸だと、養成所にいた当時から周りから言われていたので、その時も特に考えることもなく、日本と同じ演出で臨んだ。それまで太神楽を見たことのない人々の前だったので、絶対に成功するだろうと内心高をくくっていたのだ。 しかし落とし穴は思ってもみないところにあった。 太神楽は芸を通じて人々の幸せを祈る芸能だ。こう言って日本で理解されなかったことはない。 しかしフランス語では曲芸師(jongleur)という言葉は、道化師(joculator)が起源。芸は魔術のようにも見え、社会的共同体にも属さない彼らは15世紀までは物乞いと同じように扱われていたという。 またキリスト教では「祈る」という行為は、教会の中で神様と祈祷者との1対1だけで行われる神聖なものなので、おもしろおかしく曲芸をすることで、人の幸せを祈ること自体が、フランス人にとっては不可解でしかない。 つまり芸に入る前に、太神楽の存在意義が根本から覆されてしまったのだ。 * つづく<フランス人が「日本の芸能」を見て「衝撃の感想」を漏らした理由…観客が「日本人らしいわね」と言った深い意味>でも、鏡味さんの海外公演での伝えたいのに、伝わらないもどかしさをリポートします。
鏡味 味千代(太神楽師)