女優・工藤遥「好きじゃない」という感想に思うこと
写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」。 【写真】工藤遥、鏡越しの自撮りショット 木曜日は、2018年から俳優活動をスタートし、数々の映画やドラマなどに出演する工藤遥が担当。 フィルムカメラを相棒とし、日々の何気ない風景を撮り溜めている。そんな彼女が、日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
感想
“自分の感想”ってすごく大切だと思う。 特に、“好きではない”って感想は、 シュレッダーで粉々にされていい感想ではないと、特に思う。 たとえば、好きな人の好きな音楽を 聴いてみたけど、好みではなかった。 こうして文字に起こすと、 若干マイナスな印象に感じるけど 私は、そんなことないと思ってて。 それが、なぜ好きなのか?と尋ねてみたら、 聴こえ方が変わるかもしれない。 なぜ自分は好きじゃないのか、と 理由を探していたら、意外な側面を知ったり、己の“好き”の輪郭がハッキリしたりするかもしれない。 自分にしか持てない感想は、 いいも悪いもすべて特別なんです。 あなたはそう思う。私はこう思う。 それでよくて。それがすべてで。 どれも正解。 その気持ちって、共有するのがとても難しい。 風船に針を刺すみたいなこと。 作品を作っていく上で、大前提、 楽しんでもらえるようにしなきゃいけないけど、 みなさんが、みなさんの感想を大事にしてもらえるような、そんな作品をお届けしていきたい、というのが、これを書きながら湧いた感想です(?)。 今週より、毎週月曜23:06~『95』(キュウゴー)という 1995年を舞台にしたドラマが始まりました。 まさに、ご覧いただく方からどんな感想が聞けるのか、楽しみな作品なんです。よろしければ。
撮影・文=工藤遥