【鳴尾記念】上位人気信頼、5、6枠優勢のコースデータ 同距離組のボッケリーニ、ロードデルレイがリード
ボッケリーニに対抗できるのはロードデルレイ
今年は昨年覇者で重賞3勝馬ボッケリーニが実績面で上をいく。ロードデルレイ、ニホンピロキーフら4歳勢が新潟大賞典3着ヨーホーレイクなどベテランの実績馬たちに挑んでいく。レース巧者の実績馬と勢いある若駒の激突はどちらに軍配が上がるだろうか。 冒頭で紹介したように機動力重視のこのコースでは、下り坂に助けられる先行【8-4-4-37】勝率15.1%、複勝率30.2%が強く、前はなかなか止まらない。その分、中団から差す馬は【6-10-9-45】勝率8.6%、複勝率35.7%と2、3着で取りこぼす場面が目立つ。ただ、複勝率は高く、連軸向きなのは脚を溜めて勝負所で動ける馬でもある。内回りを得意とする差し馬を探そう。 先行有利なわりに逃げ馬は【1-1-0-15】勝率5.9%、複勝率11.8%と苦戦する。早めに仕掛けてくる内回りは、直線が長いコースほどマイペースに持ち込めず、直線まで単騎で進められる場面が少ない。真っ先にターゲットになる逃げ馬にとって、直線入り口でどれほど後ろと差をつけられるかが勝負であり、内回りはそんな形になりにくい。 前走距離は同距離の2000m【9-8-7-58】勝率11.0%、複勝率29.3%、2000m超【4-4-1-34】勝率9.3%、複勝率20.9%と2000m以上を経験した馬がいい。距離延長は【3-4-8-58】勝率4.1%、複勝率20.5%と惜しい競馬が目立つ。後半、早めにレースが動く内回りでは、最後の最後でスタミナが必要になる。2000m以上を経験し、スタミナを問う流れに慣れた馬を狙おう。 今年のメンバーでは日経賞5着ボッケリーニや白富士Sを勝ったロードデルレイ、新潟大賞典組がいい。マイラーズCから進むニホンピロキーフは小倉の2000mでオープン入りを決めたが、どちらかというと2000mだと惜敗が多い印象もある。マイラーズCの直後でもあり、どのように距離をごまかして乗れるかがポイントになる。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳