51歳、住宅ローンは完済しましたが、貯蓄が「800万円」しかありません。このままでは「老後破産」してしまうでしょうか?
「住宅ローンを完済したものの貯金額が800万円しかない」「この金額で老後の生活は大丈夫?」などの疑問を抱いている人はいませんか。年金制度への不安から、老後資金が足りないと感じている人も少なくありません。 そこで、今回は老後資金で悩んでいる人向けに、厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出をもとに老後の生活の見通しを解説します。あわせて、老後破産を避ける方法も確認していきましょう。
厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出額
老後の生活を見通すために、まずは厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出額を確認します。 ・年金の平均受給額 厚生労働省が発表している「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度末における厚生年金保険第一号被保険者の老齢給付の平均年金月額は老齢基礎年金の額を含めて14万5665円です。 なお、厚生労働省が運営する「いっしょに検証!公的年金~年金の仕組みと将来~」に記載されている令和5年度のモデル年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は22万4482円となっています。モデル年金は、厚生年金に加入して平均的な男子賃金で40年間就業した男性と40年にわたり専業主婦であった夫婦の世帯を想定しています。 ・65歳以上世帯の平均支出額 総務省統計局が発表している「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は14万3139円です。また、65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢無職世帯)の消費支出は23万6696円となっています。
老後の生活の収支
以上をまとめると、65歳以上の単身世帯における厚生年金の平均受給額は14万5665円、支出額は14万3139円です。1ヶ月あたり2526円のプラスになります。また、上述したように65歳以上夫婦世帯におけるモデル年金は22万4482円、支出額は23万6696円でした。つまり、1ヶ月あたり1万2214円のマイナスになります。このことから、以下のようなことが見通せます。 ●単身世帯:貯金を減らさず生活していける可能性がある ●夫婦世帯:大幅な赤字になることはないものの貯金を切り崩して生活していく必要がある ただし、実際の生活では想定外の支出が発生することもあり、貯金額が800万円だと、やや心細いと思われます。