世代を超えて母校のユニフォームで真剣勝負 「マスターズ甲子園」の意義
2004年に第1回大会が開催
東京都高等学校野球連盟は5月25日、都内で「加盟校責任教師・監督会議」を行い、加盟校(272校)の野球部関係者らが出席した。 年に1回、各種大会を運営する連盟と、現場の指導者が一堂に会す場である。連盟からの連絡事項のほか、全国47都道府県連盟を統括する日本高野連からの通達、審判部からのルール変更の説明、夏の東・西東京大会へ向けた日程確認、登録方法などを情報共有した。 約1時間に及ぶ同会議の最後に、登壇したのは東京都高校野球OB連盟・林茂智会長(立川高OB)だった。「マスターズ甲子園東京大会」を企画・運営している。 マスターズ甲子園は2004年に第1回大会が開催。元高校球児によるOB会の活性化、現役高校生へのサポート、生涯スポーツとしての野球文化の発展、さらに、野球の競技人口拡大へ向けた振興・普及を目的としている。 「全国高校野球OBクラブ連合」には43都道府県716校が加盟している(4月23日現在)。東京は関東ブロックに属しており、27校が加盟。東京大会では硬式球を使用(一部では軟式球を使用する地区もある)。使用球場は春、夏、秋の公式戦が開催される公営球場などで、決勝は神宮球場が舞台である。 試合の前半(4回、または開始から50分)は34歳以下、後半は35歳以上などの特別ルールがある。2023年は日大二高が初出場。24年は23年の東京大会優勝校・豊多摩高が甲子園の土を踏み、都立勢として初の甲子園勝利を目指す。24年の東京大会は3月から順次開催されており、12月中の決勝が予定されている。林会長は「マスターズ甲子園は東京都高野連の全加盟校のうち約10パーセント。全国的に見ると参加率が低いんです。我々OBが現役部員への支援かつ、OBも野球を通して楽しむ機会をつくっていければと思います」と新規加盟の募集を呼びかけた。 東京都高等学校野球連盟の元理事長で、現在は特別顧問を務める武井克時氏(日本ウェルネススポーツ大学・野球部統括部長)は「東京では毎年、約1万人の高校生が甲子園出場を目指して白球を追っています。高校時代の経験を生かしOB・OGとなって以降も甲子園を目指せるマスターズ甲子園を応援していきたいです。野球を生涯、楽しんでいただき、家族がプレーしている姿を見た子どもたちが、野球を始めるきっかけになればうれしいです」とコメント。世代を超えて、母校のユニフォームを着て真剣勝負を展開。白球を通じて、人と人の絆を深めていく貴重な機会である。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール