具志川商・粟国主将「思い出作りではいけない」 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第3日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われた。ともに21世紀枠の初出場2校が対戦し、具志川商(沖縄)が8―3で八戸西(青森)を降し、甲子園初勝利を挙げた。 【21世紀枠対決を写真で】 ◇具志川商・粟国(あぐに)陸斗主将 甲子園が思い出作りではいけない。勝ちにこだわり自分たちを支えてくれた人たちへの恩返しをしようと、常に言ってきた。勝って恩返しができたのは、素直にうれしい。常にチャレンジャー精神をもって積極的にプレーしようと言ってきた。次の塁を狙う走塁だったり、積極的にバットを振ったり、守備でも攻めていくプレーをしたりと、自分たちは前に前にと出て攻めていかないと勝てないチーム。攻め切れたのがきょうの勝因だったと思う。 (勝利の瞬間は)ファーストにボールが送られたときに思わずガッツポーズで出て、うれしかった。がむしゃらに泥臭くプレーできた。(最後の打席は内野安打で出塁し)2死からでも塁に出てチャンスをつくろうという思いで、気がついたらヘッドスライディングしていた。 (10万回スイングをしてきた)冬のトレーニングはきつい練習ばかり。だけど、(九州大会で福岡大大濠に)負けた悔しさを忘れずに一日一日をしっかりと、1分1秒も無駄にしないように全員で「さぼるな」と言い合ってきた。冬場は9割の苦しさを耐えて1割のうれしさのために頑張ってきた。その1割のうれしさをきょう感じられたのは、(冬場の)9割の苦しさを耐えた結果だと思う。 ◇喜舎場正太監督「目がキラキラしていた」 選手たちは緊張するかと思ったが、球場に入る前から目がキラキラしていて、のびのびとやってくれた。二回表(2死二塁から本塁で走者を刺した中堅手の)大城勢武太のバックホーム(が大きい)。先取点が鍵と思っていたところで、よく守ってくれた。(その裏に積極的な走塁もあって4点を先取し)うちは守備のリズムから流れをつくるチーム。走者が出ると「仕掛けるぞ」とずっと言ってきたので、それが機能したのかな。 特別な走塁練習はやっていない。選手たちがベンチのサインに対し次は何が来るのかを予測した結果、思い切ったプレーができた。私の意図とか、今何をすべきかをチーム全員が把握していて、それを普段通りに甲子園で出せたと思う。 21世紀枠での出場が決まってから、地域を含め県民が盛り上がっていることを肌で感じている。選手たちには「それをプレッシャーに感じず力に変えよう」「県民の方々に勇気と感動を与えられたら」と話をしてきた中で、最後まで自分たちらしい野球ができた。 冬の間は、個々の能力を上げることをテーマに10万本スイングを目標とした。九州大会での悔しさを糧に個々が一生懸命に取り組んだ結果、力強い球に対しても力強いスイングができていることを実感している。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。