日産株が急落、純損益予想取り下げ嫌気 営業益予想7割下方修正
[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日産自動車が急落している。同社は7日、3000億円の黒字を予想していた2025年3月期の連結純損益予想を取り下げた。営業利益は従来5000億円を見込んでいたが1500億円に7割引き下げ、嫌気した売りが先行している。株価は一時10%安の368.5円に下落、年初来安値を付けた。 IBESがまとめたアナリスト16人の予測平均値3593億円を下回った。ハイブリッド車の需要が高まる米国市場、電気自動車(EV)への急速な移行が進む中国市場で商品を投入できておらず、販売不振が続いている。特に米国は在庫を減らすため、販売奨励金が膨らんでいる。 米国や中国市場の販売不振で悪化した収益構造を改善するため、世界で生産能力を20%、人員を9000人削減する。費用の算定が困難とし、純損益予想を取り下げた。 今年度の業績見通しを修正するのは7月に続き2回目。市場では「今年3月に公表した中期経営計画への信頼性は消失している。ホンダとの連携が上手くいくかが焦点になる」(東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリスト)との声が聞かれる。