モデルハードラー田中佑美が女子100メートル障害V 幼少期からクラシックバレエを習い宝塚を目指したことも
◆陸上 織田記念国際(29日、ホットスタッフフィールド広島) 女子100メートル障害 女子100メートル障害決勝で、昨年の世界選手権代表の田中佑美(25)=富士通=が13秒00(向かい風0・1メートル)をマーク。日本記録保持者の福部真子(28)=日本建設工業=ら有力選手を抑え優勝した。オフシーズンはファッションメディア「BAILA」でモデルに挑戦した“モデルハードラー”が、パリ五輪代表争いがし烈な同種目で国内初戦から好スタートを切った。 自信のつく勝利だ。5人が12秒台の自己ベストを持つハイレベルな決勝。田中は「去年より格段に良くなった」というスタートから飛び出し、日本記録保持者・福部との接戦を制した。国内初戦で13秒00の好発進に「すごく緊張しましたが、落ち着いて走りきることができた」と爽やかに笑った。 幼少期からクラシックバレエを習い「舞台に立つことは昔から好き」。高校総体を制した関大第一高3年時には宝塚音楽学校の受験届を受け取るまでしたが「そこから足が重く、両親が『そんな程度の気持ちならやめておきなさい』って」と目標を陸上に一本化した。 昨年は世界陸上(予選敗退)も経験し、オフには「BAILA」でモデルにも挑戦した。「陸上を見たことがない人にも興味を持ってもらえる機会。光栄でした」と充実した日々を送ってきた。今季迎えるパリ五輪という大舞台へ。6月の日本選手権(新潟)で3位以内に入ることが最低条件となる。「(五輪で)去年のリベンジができれば」。初戦の勢いそのままに、混戦の100メートル障害で主役の座を射止める。(手島 莉子) ◆田中 佑美(たなか・ゆみ)1998年12月15日、大阪市生まれ。25歳。関大第一中から陸上を始め、関大第一高では15、16年に全国高校総体2連覇。立命大に進み、19年日本インカレ優勝。21年富士通入社。23年4月の織田記念(広島)で12秒97をマークし、同年5月に日本歴代4位の12秒89を記録。同年夏の世界選手権(ブダペスト)は予選敗退。同10月のアジア大会銅メダル。172センチ。
報知新聞社