日本ではなくアメリカ下部ツアー参戦で世界一を目指す馬場咲希が「才能を花開かせるための課題」
世界一のホープが世界一のゴルファーになるための武者修行をスタートさせた。 ’22年の全米女子アマチュアゴルフ選手権で、日本人として史上2人目の優勝を成し遂げた馬場咲希(18)が、3月8~10日に行われたアメリカ下部ツアー「フロリダナチュラルチャリティクラシック」でツアーデビューを飾った。 【2・29開幕!】美しいスイング!強くて凛々しい今季のヒロイン候補たち(写真16枚) 「初日、2日目をアンダーパーで回り、首位と4打差の12位という好位置につけていましたが、最終日はダブルボギーを含む73と不調で、通算3アンダーの14位に終わりました。トップ10入りはかないませんでしたが、69位で終わったベテランの上原彩子(40)らを抑えて日本勢トップ。デビュー戦としては100点満点ではないでしょうか」(スポーツ紙デスク) 昨年11月に行われたプロテストに2位で合格した馬場は、日本国内ツアーでシード権を得るための予選会(QT)には参加せず、「海外で活躍できる選手になるという夢を叶えたい」と米女子ツアーの最終予選会への挑戦を選択。ところが、現実は厳しかった。通算5アンダーの62位に沈み、ツアー出場権を得られなかったのだ。 「強いゴルファーになるために改善することがいっぱいあると思った」 悔しさを滲ませながらこう語った彼女は、主戦場をどこにするか迷った末に、米下部ツアーへの参戦を選んだ。かつて宮里藍(38)を指導し、馬場が15歳の頃からフィジカルトレーナーを務めている鎌田貴氏が話す。 「咲希の才能を花開かせるための課題は、″自主性″だと思います。今までは、ご両親やコーチの懸命なサポートに甘えている部分がありましたが、今回の渡米にはご両親もコーチも帯同しておらず、ほぼ単身で戦った。今季は自主性を磨き、アメリカのゴルフを肌で体感する修行の一年となるでしょう」 馬場の武器は、175㎝の長身を活かした飛距離だ。 「見た目は細身ですが、体は強い。筋力は、筋肉の横断面積(太さ)だけでなく縦断面積(長さ)にも比例します。その長さを活かすため、まずは体幹を徹底的に鍛えてもらいました。最近では身体のバランスも取れてきており、食の細さという課題も解消されつつある。この調子でトレーニングを続ければ、さらに進化した肉体を手に入れることができます。 とはいえ、急にパワーがついても、スキルが伴わなければ意味がありません。技術を伸ばすためのサポートとしての身体作りが求められます。今年はメンタルを含めてどれだけ強くなれるか。来年、芽を出して順調ならその翌年に海外メジャーで勝ってもおかしくありません」(同前) 強いゴルファーになるために――。地道なトレーニングで培われた最強の肉体と、孤独な戦いで磨かれた自主性が組み合わされば、馬場はアメリカで、世界で輝く女王にきっとなれる。 『FRIDAY』2024年3月29日号より
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