保険金の不正請求をめぐり金融庁が19日、損保ジャパンとビッグモーターに相次いで立ち入り検査に入りました。金融庁はそれぞれに部屋を構え、十数人の検査官が常駐して徹底的な実態解明を行っていくとみられます。また日本テレビは、ビッグモーターの社長が自ら店舗を訪れ社員に謝罪、ある決意を述べる様子を撮影した動画を入手しました。 　　　◇ 記者（19日午前10時前） 「金融庁の検査官が損保ジャパン本社へと入っていきます。これから立ち入り検査を実施するとみられます」 この1時間ほど前には… 記者（19日午前9時ごろ） 「ビッグモーター多摩店に立ち入り検査に入りました」 　　　◇ ビッグモーターの保険金不正請求をめぐる問題で19日、金融庁は損保ジャパンとビッグモーターに立ち入り検査に入りました。2社は“親密な関係”にあったとみられます。 損保ジャパンは、ビッグモーターの営業部門や板金塗装部門などに、2011年以降、社員のべ37人を出向。査定でも現地に行かず、写真や見積書だけで判断する「簡易査定」で対応していました。 去年、ビッグモーターの不正疑惑が発覚し大手3社が取引を停止した際には、損保ジャパンだけがいち早く取引を再開していたといいます。 損保ジャパンの白川儀一社長は「取引が大きく減る可能性を危惧した」「大きな経営判断ミスだった」として、今月8日に辞任を発表しました。 　　　◇ 一方、ビッグモーター側に動きも…。日本テレビが入手したのは、店舗を視察するビッグモーター和泉社長の動画です。 ビッグモーター　和泉伸二社長 「みなさん、お疲れさまです。今回の会社のいろいろな不適切な事案について、各店・現場の皆さんには心配と負担をかけたと思ってます。会社を代表して謝罪します。申し訳ありませんでした」 実は、この店舗視察が行われたのは15日。ビッグモーター本社に警視庁などが家宅捜索に入ったまさにその日でした。 ビッグモーター　和泉伸二社長 「きょう（15日）家宅捜索も来ました。会社の組織・風土を一気に変えていきたい。そのことが信頼回復に一番近くなっていくのではないか」 さらに、こんな発言も。 ビッグモーター　和泉伸二社長 「最後、会社がまたいい方向に向かっていく道筋だけはつけていきたい。最後にそれが自分にできる最後の仕事かなと思っています」 “最後の仕事”と強調した和泉社長。この日にビッグモーターは、六本木ヒルズからの本社移転を発表しました。その2日後の17日、トラックが出て行くなど引っ越しをする様子も見られました。 　　　◇ 今後、数か月かけて行われるというビッグモーターと損保ジャパンへの立ち入り検査。金融庁はそれぞれに部屋を構え、十数人の検査官が常駐して徹底的な実態解明を行っていくとみられます。 （9月19日放送『news zero』より）