拍手「克彩」巻き起こせ 音色で選手の力に 県岐阜商吹奏楽部 /岐阜
<センバツ高校野球> 5年ぶりのセンバツ出場となる県岐阜商。野球部だけでなく、アルプス席から選手のプレーを後押しする音楽を奏でる吹奏楽部も、大舞台に胸を膨らませ、準備に余念がない。【横田伸治】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 部員48人から成る県岐阜商吹奏楽部は、マーチングバンドでは3年連続全国3位の記録を持つ強豪だ。座奏の吹奏楽コンテストでも、31年連続で県大会金賞を獲得する。年間で約50回の本番演奏をこなしながら、練習は週6日。練習のない日や週末の夜も、部員たちは個人練習に取り組み、ほぼ無休で励んでいる。 1月に定期演奏会を終えて3年生が引退し、約1カ月が過ぎた。さらに、1989年から30年間指導に当たってきた和田隆明顧問も昨年春で退任。杤井克哉顧問(31)が就任し、部の態勢は大きく変化した。 部員たちは新主将の伊藤木々音さん(2年)を中心に、「克彩(かっさい)」というスローガンを掲げる。伝統や過去の成績にとらわれがちな気持ちに打ち勝ち、会場を自分たちの色で彩って拍手喝采を巻き起こす、という意味の造語だ。 練習内容でも従来の方針を転換し、「教えてもらうだけではなく、生徒主体で考える」ことを重視する。月に数回、新たにミーティングを開催。これまで「伸びのある音」などの表現で伝えてきたことを、実際の音源などを聞き比べながら部員らに理解してもらう取り組みだ。 甲子園では、応援部とともに曲を選びながら、約20曲を演奏する。今年は新たに、昨年ブレークした人気バンド「キングヌー」の曲も、許可をもらった上で応援用に編曲し、スタンドで音色を響かせる予定だ。伊藤主将は「選手の力になれるような応援がしたい。選手に届くように、大きく、きれいで、明るい音を出していきます」と意気込んだ。