（写真：テレビ北海道）

運送業界の人手不足が深刻化する中、苫小牧では聴覚障害のあるバス運転手の誕生に向けた準備が進んでいます。 大沢勇一さん、58歳。生まれつき聴覚障害があり、補聴器を使用していますが、バスやトラックの運転手だった父の姿に憧れて5年ほど前に第2種免許を取得しました。これまで、利用者とのコミュニケーションなどを不安視され、運転手として採用されませんでしたが、先月、企業の従業員送迎や貸切バスを運行する苫小牧の会社に採用されました。 大沢さんを採用した理由について日軽北海道サービス事業部の松原浩二さんは「企業の通勤バスなら、一般客との不特定多数ではないかかわりの中で働くことが可能じゃないかと。管理職の私も毎日バスを運転しているくらい人手不足なので正直に言って救世主ですね」と話します。  大沢さんは現在、ハンドサインなどで教官とコミュニケーションをとりながら練習を重ね、「客を乗せるのが楽しみ。遠くの距離でも自信をもって運転したい」と意気込みを語ります。  北海道運輸局によりますと、聴覚障害のあるバス運転手が誕生すれば道内初ということです。大沢さんは今後、社内試験を経て、10月上旬にもデビューを予定しています。