「海業」で地域活性化へ 船形地区の協議会設立 館山(千葉県)
国が進める「海業(うみぎょう)」の取り組みで、館山市の船形漁港を核とした地域活性化を図ろうと、「館山市船形海業推進地域協議会」が関係機関によって立ち上げられた。海や漁港などを活用した地域活性化策について検討し、実現を目指す。 海業とは、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用して、地域のにぎわいや所得と雇用を生み出す取り組み。漁港の活用例としては、直売施設や食堂での地場水産物の販売、提供、プレジャーボートの受け入れ、漁業体験、海釣り施設などの事業が挙げられている。 船形地区は、古くから漁業の盛んな地域だが、漁業を巡る環境は従事者の高齢化や担い手不足、磯焼けの影響などで厳しい状況にある。一方で、海や山の豊かな自然環境、観光資源にひかれて南房総エリアをa訪れる人々は増えている。 こうした状況の中、市の海辺のまちづくりに向けた計画の中でも中核拠点に位置付けられている船形漁港を中心に、地域のさまざまな関係機関で連携して、海業による活性化を目指すことになった。 協議会は、市、館山漁業協同組合、館山商工会議所、市観光協会、船形地区連合区長会、地域活性化に取り組む市民グループ「思行会」、県民代表などで組織。 委員15人で、会長は日本大学の近藤健雄名誉教授、副会長は館山漁協の鈴木久雄組合長。外部有識者の委員として同市在住のLINEヤフー株式会社の川邊健太郎代表取締役会長も加わっている。 市役所で昨年12月27日にあった第1回会議には、委員とオブザーバーの県職員ら24人が出席。市の担当者から海業の概要や船形漁港、同地区の現状について説明があった後、会の設置要綱を制定し、会長、副会長を選出。 就任あいさつに立った近藤会長は「船形地区の活性化のため、船形漁港を核として何ができるか検討し、実行していきたい」と各団体に協力を呼び掛けた。来年度中の具体的な計画の策定を目指し、協議を重ねていくという。