巧みな営業トークにご用心…銀行員が「外貨建て保険」を勧める本当の理由
銀行は顧客の口座にどれくらいのお金がいつ入金されたか、すべて把握しています。時にはこれを利用して、銀行の方から営業をかけてくることもあるのです。本記事では、ファイナンシャル・プランナーの横川由理氏の著書『知らなきゃ損! インフレってなに?』(自由国民社)から、外貨建て保険の勧誘をはじめ、銀行の営業において我々が注意すべき点について解説します。 都道府県「最低賃金」ランキング
登場人物 かあさん(横川由理) FPとして活躍する本書の著者。「正義の味方になる」「迷ったらやる」「専門用語を使わない」をモットーに、資産運用に悩む人たちにわかりやすくアドバイスを行う。桃太郎の育ての母。 猫の桃太郎(ももちゃん) 生まれたばかりで迷子になり、横川さんの息子の由比(ゆい)君に保護された♂猫。横川家に迎えられ、かあさんが哺乳瓶でミルクをあげてすくすくと育った。人間と話ができる不思議な能力を持つ。
銀行の「無料相談」につられてはいけないワケ
桃太郎:お金や投資について、銀行に相談してみようと思うんだけど。 かあさん:いいえ、銀行へ行ってはいけません! 桃太郎:え、なんで? お金のプロが無料で相談に乗ってくれるんだよ! かあさん:ももちゃん「タダより高いものはない」って意味、わかる? 無償で何かをもらうと、お礼にお金がかかったり、頼まれごとを断りづらくなったりで、かえって高くつくということなの。 桃太郎:銀行には近づいちゃいけないんだね…。 かあさん:自分から銀行へ相談に行くこともあるでしょうけど、自分から行かなくとも営業されることもあるの。銀行は顧客の口座にどれくらいお金が入金されたか、全部わかるわよね。これを利用する。保険金や退職金の支払い、つまり大きな入金があったときね。そんなときはすかさず営業を仕掛けてくる。電話攻撃、手紙攻撃よ。しかも手書きで来るわ。手土産持って家まで押し掛けるケースもあるからね。 桃太郎:どうして? かあさん:銀行が儲かる金融商品を売るために決まってるでしょ! 桃太郎:お客さんが儲かる金融商品じゃあないの? かあさん:まさか! 今、NISA口座の獲得合戦が始まっているけど、NISA口座って銀行にとって全然儲からないわ。なぜ、獲得合戦をしているのかっていうと、NISA口座を突破口にして、ほかの金融商品を売るきっかけにしようと考えているのよ。 桃太郎:ええっ……(プルプル、桃太郎震える)。