母さん、本当のことを話して…年金月13万円、貯金3,000万円の75歳母が「老後破産」の危機!? 46歳長男が母から告げられた“まさかの理由”【CFPの助言】
夫亡きあと、戸建てに1人で暮らす75歳のAさん
75歳のAさんは3年前に4歳年上の夫を亡くしており、現在は都内の戸建て住宅にひとりで住んでいます。この戸建ては、亡き夫が40年前に購入したものです。なお、Aさんにはひとり息子のBさん(46歳)がおり、息子は家族で近くの賃貸マンションに暮らしています。 Aさんの主な収入は、自身の老齢基礎年金と遺族厚生年金を合わせて、月約13万円※(年間約156万円)です。夫が生きていたときは夫婦で月21万円ほど年金を受給していたため、約8万円減少したことになります。 ※ 65歳以上の単身無職世帯の家計の実収入は13万4,915円。実支出は15万5,495円(消費支出14万3,139円+税金や社会保険料1万2,356円)で、毎月2万0,580円の赤字(総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」の「収支」より)。 収入が減少したとはいえ、養老保険の満期保険金や夫の生命保険金1,500万円を含め、貯蓄は約3,000万円あります。年金だけで足りない月は貯蓄を取り崩していますが、こうした生活にも慣れてきました。 一方で、日々なにげない会話を交わしていた愛するパートナーがいなくなったことには、いつまで経っても慣れません。地元の婦人会の行事に参加したり、友人に会う時間を増やしたりと、ひとりきりでの生活の孤独感を紛らわしていました。
“自衛力”高めのAさんが心配になった「老後のお金」
息子の教えを守ってセールス撃退も… そんなAさんの悩みは、最近毎日のように自宅の固定電話にセールスの電話がかかってくることです。外壁や屋根のリフォーム、不用品回収、貴金属の買取、電気料金や電話料金の割引など、実にさまざまなところから電話があり困っていました。 息子のBさんに相談したところ、「悪質なセールスや特殊詐欺※に引っかかるかもしれないから」とアドバイスを受け、常に留守番電話をセットして、ナンバーディスプレイを表示して発信者を特定する防衛策を取っていました。 ※ 警察庁「令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」によると、令和5年の特殊詐欺の認知件数は1万9,038件、被害額は452.6億円。また、犯人側が被害者側に接触する最初の通信手段は77.5%が電話。そのうちの90.5%が被害者の固定電話への架電と判明している。 また、セールスは電話だけではなく、直接自宅に訪問してくることもあります。しかしAさんは、Bさんから「セールスが来て買いたいなと思ったら、話を聞く前にまず俺に相談して」と言われたことから、直接応対することはありませんでした。 ときどき惹かれる商品もあり、うっかり話を聞きそうになったこともありましたが、「お父さんのお金を無駄なものに使うわけにはいかない」と心を鬼にして、インターホン越しにすべて断っていました。 「老後4,000万円問題」という言葉に不安を感じたAさん そんなある日のことです。テレビを眺めていると、「老後資金4,000万円問題」の特集が組まれていました。 それを見て、「4,000万円には届かないけれど、貯蓄は十分にあるから私は大丈夫ね」と思ったAさんでしたが、しばらく記帳していなかったことを思い出し、念のために預金残高を確認。すると、残高は2,700万円ほどになっていました。知らず知らずのうちに、3年間で300万円ほど使っていたようです。 このままのペースで貯蓄を取り崩しても、当分は大丈夫そうです。しかし、特集でやっていたように、物価が上昇し続けたり、介護や老人ホームに入居する費用が必要になった場合、足りないかもしれない……。Aさんの頭に「老後破産」の4文字が浮かびました。
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