「情報Ⅰ」の対策できてる? 来春から大学共通テストに登場 専任教員が足りず、生徒も先生も困った
学習指導要領「情報科」のとりまとめに携わった京都精華大学の鹿野利春教授(情報教育)は、「学校や教員によって指導力に開きがあると、生徒の学びに格差が生まれてしまう」と懸念する。 東京など大規模校が多い都市部では、指導経験が豊富な専任教員の配置が進んでいることを指摘。「補助教材や外部人材を活用するなど、短期的な対策を打つことは一つの手」と助言する。 全国では情報Ⅰの発展となる「情報Ⅱ」の履修も進む。鹿野教授は「研修を重ねながら、長期的に教員の地力を底上げしていく必要がある」と訴えた。 ■国立大は原則必須 大学共通テストの情報Ⅰは、現代社会で起こる事象を題材に情報活用能力を問う出題が予想される。国立大は原則必須で、一部の私立大、短大も選択科目に設定している。 大学入試センターが公表した試作問題では、スマートフォン・パソコンの使用時間データを分析し、傾向を考察する問題を出題。交流サイト(SNS)利用時の注意点やQRコードの仕組みなど、基本知識を問う設問もあった。
試験時間60分で配点は100点。鹿児島高等予備校(鹿児島市)の永田光一講師(60)は、問題文が長く読解に時間がかかると指摘。「基本知識があれば簡略化できる。スムーズに解答するために、演習を重ねた方がいい」と呼びかける。 県内大学の扱いは、それぞれ異なる。鹿児島大は一般入試で必須だが、共テ利用の推薦入試は一部学部で課さない。鹿屋体育大は一般入試の選択科目。鹿児島国際大、志學館大、第一工科大、県立短大、鹿児島純心女子短大、鹿児島女子短大も選択科目だ。永田講師は「大学や学部によって配点が異なる。事前に確認を」とアドバイスした。
南日本新聞 | 鹿児島