【そもそも.】『鳥インフルエンザ』とは…ヒトにうつるの?卵などの価格はどうなるの?
ミヤギテレビ
今回のテーマは、「そもそも、鳥インフルエンザって?」
11月9日(土曜日)、宮城・石巻市の養鶏場で『高病原性鳥インフルエンザ』の感染が、今シーズン初めて県内で確認された。 宮城県は、感染が確認された養鶏場のニワトリ約17万羽の殺処分を行い、16日までには農場の消毒も終える予定だという。 これを受け、今回は『鳥インフルエンザ』について宮城県・家畜防疫対策室の西室長に教えてもらった。
まず、そもそも『鳥インフルエンザ』の症状ってどんなものなのかー。 赤いトサカが青くなる、うずくまって元気がない、突然死ぬというものがあるそうだ。 前触れなく死ぬニワトリの数が急激に増えることが、感染確認のきっかけとなることが多いそうだ。 感染した鳥の排泄物などを通して、ウイルスが広がると考えられている。 感染が確認された場合、防護服を着て殺処分や消毒を実施する。 気になるのは、私たち=ヒトにうつるかどうかー。 感染した鳥の死骸や排泄物と濃厚な接触をした場合、まれに人にうつる可能性があるとされている。 だからこそ、防護服を着ての作業になる。 一方、感染した鳥の肉や卵を食べて人にうつった事例は報告されていない。 そもそも感染した鳥は殺処分されるため、感染した肉や卵が流通することは無いとしている。
続いて、『鳥インフルエンザ』は何がきっかけで流行ってしまうのかー。 原因の一つとして考えられているのが、渡り鳥の飛来。 寒くなるこの時期に、ロシア方面等北方から渡り鳥が日本へ飛来する。 その中に、感染した鳥がいると、直接 養鶏場に入り込まなくても、感染した鳥のフンからネズミなどの小動物を介し養鶏場へウイルスが持ち込まれてしまうと、考えられている。
そして今年の傾向はー? 感染の〝早さ〟に要警戒、だという。 今シーズン宮城県内での初確認が、11月9日。 記録を取り始めたここ10年で、最も早い。 全国で見ても、最初に出たのが北海道の南部・厚真町で10月17日。 この日付も、過去最も早いという。 これまでの記録で言うと、2022年~23年にかけての10月28日が最も早かった。実はこの年、全国で過去最多およそ1771万羽の殺処分があった年で、大流行した。 早さと多さの因果関係は分からない部分もあるが、同じ傾向がみられることから要警戒だという。
価格について、日本養鶏協会の方に伺った。 今の所、”特に変化は無い”とのこと。 ここ3年の10月の価格を見てみると、むしろ去年のほうが高い状況だった。 しかしながら、『鳥インフルエンザ』の影響は少し遅れて出ることが多く、去年の高騰はおととしの影響が出たんじゃないかと見られている。 おととしは、前述した過去最多の殺処分があった年。 そこから今年は少し落ち着いているが、今後の感染の広がりによってはまた高騰する可能性もあるという。 今後の状況を、注視する必要がある。 最後に、宮城県では「今後も万全の対策で対応する。安心して県内産の鶏肉や卵を消費してほしい」と強調していた。